2015年06月04日 13:00 〜 14:00 9階会見場
ピオット ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院学長(エボラウイルス発見者 元UNAIDS事務局長) 会見

会見メモ

「エボラの父」とも呼ばれるエボラウイルスの発見者の一人であり、また国連合同エイズ計画(UNAIDS)事務局長として長く国際的なエイズ感染対策を指導したピーター・ピオット博士が会見し、記者の質問に答えた。
司会 宮田一雄 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)
通訳 大野理恵(サイマル・インターナショナル)
自伝『NO TIME TO LOSE』特設サイト


会見リポート

最後の1例まで油断できない

宮田 一雄 (企画委員 産経新聞特別記者)

2008年まで14年間にわたって国連合同エイズ計画(UNAIDS)の事務局長だったピオット博士は、エボラウイルス発見者の一人でもあり、最近はそちらで話題になることが多い。香港紙に「エボラの父」と大見出しで紹介されたほどだ。会見では、①西アフリカのエボラの流行②博士が理事を務める公益財団法人グローバルヘルス振興基金の活動③日本に対する国際保健分野からの期待の3点について話した。

 

エボラの流行はリベリアで終息が宣言され、ギニア、シエラレオネでも新規感染報告が大きく減っている。だが、博士によると、最後の1例がなくなるまで流行は終わらず、再燃のリスクは常に残っている。完全な終息には早くても数カ月はかかり、成否はあくまで、流行地域のコミュニティーが自ら終息に向けて動き、国際社会がその支援を継続できるかどうかにかかっているという。

 

日本については、今年12月に世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)の増資準備会合が東京で開かれることを評価し、日本が議長国となる来年のG7サミットでも国際保健が重要課題になることに強い期待を示した。


ゲスト / Guest

  • ピーター・ピオット / Peter PIOT

    ベルギー / Kingdom of Belgium

    ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院学長 / Director, The London School of Hygiene & Tropical Medicine

ページのTOPへ