2015年05月27日 14:00 〜 15:30 10階ホール
田中均 日本総研国際戦略研究所理事長 「日米安保を考える」④

会見メモ

外務審議官を務めた田中均日本総研国際戦略研究所理事長が日米安保、安保法制について話し、記者の質問に答えた。
司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

「米国に多くのNOも言ってきた」

清水 真人 (日本経済新聞編集委員)

安倍晋三首相とは北朝鮮外交をめぐって因縁があるが、新安保関連法案は「画期的だ」と評した。

 

集団的自衛権の行使は、従来の憲法解釈と整合させる意味でも「日本を守るために米国と共に行動する」枠づけを明確に、と訴えた。例えば朝鮮半島有事では「米国が在日米軍基地から作戦行動を起こす瞬間から防備ができないと危険だ。集団的自衛権の行使が想定されるのは明白」とした。

 

半面、中東ペルシャ湾の機雷掃海には「原油途絶で存立危機に至る蓋然性は高くない。攻撃されれば反撃せざるをえない。『何でもできるのか』と国民に受け止められかねない」と疑問を呈した。

 

自衛隊による後方支援の拡充などで「米国と共に地球の裏側まで行く」ことにならざるをえないのでは、との見方には「もう少し自信を持つべきだ」と否定。むしろ「日本の政策が日米安保だけに支配されず、主体的に独自判断で動く余地が増える」との見解を示した。「日本は米国に多くのことでNOと言ってきた」と述べた。

 

濃密な米中対話を引き合いに、安保環境を改善する外交努力も求めた。戦後70年の首相談話では、村山談話の「侵略」や「お詫び」を「首相として言いたくないというわけにいかない」と指摘した。


ゲスト / Guest

  • 田中均 / Hitoshi Tanaka

    日本 / Japan

    日本総研国際戦略研究所理事長 / Chairman, Institute for International Strategy, The Japan Research Institute, Limited

研究テーマ:日米安保を考える

研究会回数:4

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