2015年04月21日 15:00 〜 16:30 10階ホール
著者と語る 須田桃子 毎日新聞記者 『捏造の科学者 STAP細胞事件』

会見メモ

毎日新聞科学環境部の須田桃子記者が、大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれた『捏造の科学者 STAP細胞事件』(文藝春秋)の取材について話し、記者の質問に答えた。
司会 中井良則 日本記者クラブ専務理事
書籍紹介ページ(文藝春秋)


会見リポート

STAP細胞 科学史に残る大事件「きちんと社会に伝えたかった」

小出 重幸 (読売新聞出身)

「理研(理化学研究所)が事件をうやむやにしようとしている。このままでは科学報道の信頼が落ちてしまうという危機感が、取材の原点だった」

 

2014年1月、30歳の女性研究者が主役となった華々しい記者会見で幕を開いた「STAP細胞」は、世紀の大発見と言われたが、論文写真の偽造、実験資料のすり替えなどの事実が明るみに出て、21世紀を代表する3大科学論文不正事件の1つとなった。毎日新聞科学環境部記者として、初報からの取材経過をまとめた著作『捏造の科学者 STAP細胞事件』(文藝春秋社刊)で、大宅壮一ノンフィクション賞、日本科学ジャーナリスト大賞の受賞が決まった。

 

信じられないほどずさんな論文が、なぜ世に出たか、ノーベル受賞者も含む専門家がだまされた背景、さらに研究不正問題を社会的事件に発展させた理研幹部のマネジメントの失敗、これらの経緯を、自身の取材経過を重ねながら「科学史に残る大事件。新聞紙面では書ききれなかったことを記録としてまとめ、社会に伝えたかった」と話す。

 

取材を通して再確認した「科学的アプローチ」の大切さを強調すると共に、「いつの日か “常識を覆す”本物の大発見に出会えることを楽しみにしている」と結んだ。


ゲスト / Guest

  • 須田桃子 / Momoko Suda

    日本 / Japan

    毎日新聞記者 / Reporter, Mainichi Shimbun Newspaper

研究テーマ:著者と語る 『捏造の科学者 STAP細胞事件』

前へ 2024年03月 次へ
25
26
27
28
29
2
3
4
5
9
10
11
12
16
17
20
23
24
30
31
1
2
3
4
5
6
ページのTOPへ