2015年04月22日 17:30 〜 20:30 10階ホール
ジョージアの夕べ 映画上映とワインの会

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会見リポート

人間の根源的な生き方描く

西島 雄造 (読売新聞出身)

グルジア映画を見る機会は少ない。それでも東京で上映中の『あの日の声を探して』は、フランスとの合作ではあるが、グルジアの作品でもある。『コーン・アイランド』(ギオルギ・オヴァシヴィリ監督)は昨年10月の東京国際映画祭で紹介された。

 

1980年代にグルジアが独立する際、国の最西端に位置するアブハジア自治共和国との間で緊張が生じた。一方、大コーカサスを源流とするエングリ川は、氷河の雪解け水などと重なりときに凶暴になる。おかげで肥沃な土砂を運び中洲を形成する。映画はこの中洲が舞台になる。

 

老人が小屋を建て、トウモロコシを植える。孫娘が手伝う。娘の両親は死んだ。いきさつは語られない。春から夏へと季節が過ぎ、作物は実る。ある日、畑の中に傷ついた若い兵士が倒れていた。じいさんは傷の手当てを施し、若者は元気を取り戻す。2人だけの世界に現れた若者に、娘は関心を示す。だが、若者は「アブハズ語はわからない」という。じいさんは若者を追い出す。ある日嵐がやってきて、濁流が小さな島をのみこみ、じいさんは帰らぬ人となる。

 

映画は人間の根源的な生き方を描く。争いには背を向ける。セリフは5つか6つのカットでしか使われない。カメラは絵画的でさえある。

 

映画のあとワインが振る舞われた。グルジアワインは世界最古といわれる。甘さと芳香に酔う。この日、4月22日、日本政府は国名をグルジアからジョージアにすると決めた。レヴァン・ツィンツァゼ特命全権大使は「うれしいことだ」と語った。


ゲスト / Guest

  • ジョージアの夕べ/「コーン・アイランド」上映▼ワイン会

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