2015年04月03日 14:00 〜 15:00 10階ホール
「国連エボラ緊急ミッション」報告会見

会見メモ

「国連エボラ緊急対応支援団(UNMEER)」に参加していた(12/10~3/10)小沼士郎外務省アフリカ一課交渉官が、現地の状況や今後の展望などについて話し、記者の質問に答えた。
司会 宮田一雄 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)

エボラ出血熱と国連の対応

国連エボラ緊急対応ミッション(UNMEER、設置)


会見リポート

エボラ流行、沈静化の成果見えるも油断は禁物

宮田 一雄 (企画委員 産経新聞特別記者)

西アフリカのエボラの流行に対応するため昨年12月10日から先月10日まで、ガーナの首都アクラに本部を置く国連エボラ緊急対応ミッション(UNMEER)に日本政府から派遣された。

 

医師免許を持つ異色の外交官。シニアアドバイザーとしてUNMEERトップの事務総長特別代表を戦略面から補佐した。本部勤務とはいえ、現場も訪れ臨機応変の判断を行う。治療センターでシーツやモップが何よりも不足しているといった情報は現場に身を置かないと見過ごしてしまう。

 

ギニア、リベリア、シエラレオネ3カ国の流行は4月29日現在、感染者2万6277人、死者1万884人。UNMEERは医療分野のWHOだけでなく国連全体の力で流行に対処するため、昨年秋に活動を開始した。本部がアクラなのは世界食糧計画(WFP)の物資輸送拠点だからだ。

 

流行は春から拡大し、秋にはピークに達した。現在は1週間の患者発生が3カ国合計で100人を割るところまで沈静化してきたが、油断はできない。保健危機に対するWHOの初期対応能力など検証すべき課題も多く、ゲストブックには「エボラの経験を忘れない」とメッセージを残した。


ゲスト / Guest

  • 小沼士郎 / Shiro Konuma

    日本 / Japan

    外務省アフリカ第一課交渉官 / former senior adviser to UN Mission for Ebola Emergency Response (UNMEER)

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