2015年03月09日 16:00 〜 17:00 10階ホール
古賀伸明 連合会長 会見

会見メモ

連合(日本労働組合総連合会)の古賀伸明会長が会見した。春闘に臨む姿勢や今後の労働運動の役割などについて話し、記者の質問に答えた。
司会 水野裕司 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)
連合HP


会見リポート

労働取り巻く過酷な環境に警鐘

川北 隆雄 (東京新聞出身)

日本最大の労働組合ナショナルセンターのトップとして、674万人の組合員を率いる。会見は春季生活闘争(春闘)の集中回答を間近に控えていた時期で、話題も春闘が中心になった。ささやかれる「春闘不要論」に対しては、「企業、産業だけでなく、日本社会を見つめ直すための1つの有効なメカニズムだ」ときっぱり。「物価上昇に所得が追いついていない。経営側も支払い能力論、総額管理など従来の発想を捨てて、マクロの視点で(賃上げの)決断を」と主張。

 

所得、資産の格差についても厳しい警鐘を鳴らす。日本の相対的貧困率や子供の貧困率の高さ、年収200万円以下のワーキングプアの存在などを挙げ、格差論争を「一時のブームに終わらせてはいけない」と言う。「一部の貧困は全体の繁栄にとって危機」だとも。解決のためには政策論議が必要と提起する。

 

年間100人を超える過労死問題への取り組みにも意欲的だ。若者を長時間、過重労働で使い捨てる「ブラック企業」問題については、労組による職場点検、あるいは経営者団体や行政に対する要請などを行う方針を示した。労組のないブラック企業に対しては、組織化も図るという。


ゲスト / Guest

  • 古賀伸明 / Nobuaki Koga

    日本 / Japan

    連合会長 / President, Japanese Trade Union Confederation (JTUC-RENGO)

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