2015年03月04日 13:30 〜 15:00 10階ホール
「地下鉄サリン事件20年」③高橋シズヱさん、宇都宮健児弁護士、中村裕二弁護士「オウム裁判と司法改革-被害者の立場から」

会見メモ

「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人の高橋シズヱさん、「オウム真理教犯罪被害者支援機構」はじめさまざまな場面、形で被害者を支えてきた宇都宮健児弁護士、中村裕二弁護士が会見し、記者の質問に答えた。
司会 瀬口晴義 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)


会見リポート

20年前の事件はまだ終わっていない

瀬口 晴義 (企画委員 東京新聞社会部長)

オウム法廷の取材で一番印象に残るのは1996年3月の林郁夫被告(無期懲役が確定、服役中)の第2回公判だ。地下鉄サリン事件の起訴事実を認めた林被告が何度も絶句しながら謝罪の言葉を述べると、傍聴席から嗚咽が漏れた。夫の一正さんが地下鉄霞ケ関駅で殉職した高橋シズヱさんだった。林被告は幼児のように大声で泣いた。

 

高橋さんが麻原彰晃被告(死刑確定)やその弟子たちの刑事裁判の法廷に連日のように足を運ぶ姿をよくお見掛けした。肉体的にも精神的にも相当にきつかったはずだ。泣き寝入りをしていた犯罪被害者の権利を高めるために、高橋さんは議員立法による犯罪被害者基本法の制定に奔走、国会や永田町に精力的に通い、オウム事件の被害者を救済する特例法も勝ち取った。そんな高橋さんを支えたのが会見に同席した宇都宮健児弁護士と中村裕二弁護士だった。いまも後遺症に悩まされているサリンの被害者は多い。遺族や被害者にとって事件は終わっていないということを再認識した会見だった。


ゲスト / Guest

  • 高橋シズヱさん、宇都宮健児弁護士、中村裕二弁護士 / Shizuwe Takahashi / Kenji Utsunomiya, lawyer / Yuji Nakamura, lawyer

    日本 / Japan

研究テーマ:地下鉄サリン事件20年

研究会回数:3

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