2014年12月04日 00:00 〜 00:00
朝鮮通信使 静岡プレスツアー

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会見リポート

プレスツアーに参加して 朝鮮通信使の感動と友好への思い

安尾 芳典 (共同通信客員論説委員)

静岡市清水区にある清見寺に到着すると、目についたのが寺門に掲げられた懸板。そこには「東海名区」と書かれていた。朝鮮通信使が当時、寺の前に広がる駿河湾の景観に感動して揮毫したものという。

 

江戸時代に12回、朝鮮から外交使節として来日した朝鮮通信使。清見寺には5回訪問しており、国の史跡に指定されている。

 

清見寺には、朝鮮通信使がかいた書画などが多数残っている。鐘楼には「瓊瑶世界」と書かれた扁額があった。案内してくれた比較文化学者の金両基さんによると、「瓊」も「瑶」も玉のことで、2つの玉は互いに光を照らし合うとし、友好関係への思いが込められているという。

 

同市葵区の宝泰寺にも朝鮮通信使が揮毫した書画が保存されていた。境内には、最初の朝鮮通信使から400年を記念して2007年に常夜燈が建立された。

 

朝鮮通信使のために造られたという薩?峠に登った。東海道3大難所の1つとされたが、ここから富士山の眺めは絶景だという。一行は富士山に感動したのだろうか。なぜか、そうした記録はないという。

 

朝鮮通信使を再開した徳川家康が駿府城で亡くなって今年で400年になるのを記念して、静岡県では「家康公四百年祭」が開かれ、朝鮮通信使も取り上げられるという。

 

また朝鮮通信使の記録を、日韓共同で国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に来年にも申請する動きが出ている。

 

日韓国交正常化から今年で50年。悪化する日韓関係の改善に朝鮮通信使の果たした役割がよみがえってきそうだ。


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