2014年11月12日 15:00 〜 16:15 10階ホール
スヴェインソン アイスランド外相 記者会見

会見メモ

アイスランドのスヴェインソン外相が会見し、日本とのFTA締結や地熱発電の分野などで協力関係を築きたい、と述べた。

司会 脇祐三 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞コラムニスト)

通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

小さな国の強い自負

脇 祐三 (企画委員 日本経済新聞コラムニスト)

人口約32万人のアイスランドには、大臣が11人しかいないそうだ。対外貿易、開発、防衛担当の閣僚も兼ねる外相は、幅広く同国の政策の要点を語った。


欧州の国として初めてアイスランドは中国と自由貿易協定を結んだ。「ルールを守るなら、どんな国でも歓迎するし、中国だから優遇するということもない」。ロシアとも友好関係を続けているから、ウクライナ問題などで「正面からハッキリものが言える」と外相は語る。


金融危機から脱し、今年は2.9%の実質経済成長と財政収支の黒字転換を見込む。天然資源と高学歴の人的資源、独自の通貨を持っていることが強みだと説く外相は、「欧州連合(EU)加盟を追求するのはナンセンス」と強調した。


2050年に脱化石燃料を目指すアイスランドは、地熱利用の先進国。この分野での日本との協力は、気候変動への対応という世界的課題の解決策につながると位置付ける。


外国人観光客が大幅に増えている一因は、世界の耳目を集めた4年前の火山の大爆発を観光振興キャンペーンのきっかけにしたことだという。


小さな島国の強い自負とビジネスセンスを印象づける会見だった。


ゲスト / Guest

  • グンナル・ブライエ・スヴェインソン / Gunnar Bragi Sveinsson

    アイスランド / Iceland

    外相 / Foreign Minister

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