2014年11月05日 14:00 〜 15:30 10階ホール
冨山和彦 経営共創基盤CEO 「成長戦略には何が必要か 現場からの視点」⑬

会見メモ

「GとLの経済成長戦略」というテーマで話し質問に答えた。日本経済にはGの世界(グローバル経済圏)とLの世界(ローカル経済圏) という2つの経済圏が存在しているという。それぞれの経済圏にあった成長戦略が必要であると。

司会 安井 孝之 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞編集委員)


会見リポート

Gと異なるLの成長戦略を

安井 孝之 (企画委員 朝日新聞編集委員)

アベノミクスの3本目の矢として注目される地方創生について、冨山和彦さんは「Gの世界(グローバル経済圏)とLの世界(ローカル経済圏)とを分けて成長戦略を定めないと地方の創生は難しい」と指摘した。地方で生きる企業に経団連加盟企業と同じように「ガバナンスを強化し、稼ぐ力を」と言ってみても、意味はない、という。地方経済の実態にあった政策をつくらないと、その効果はないという警告だ。


コンサルタント出身ではあるが、机上の空論の人ではない。現場に根差した手触り感のある提言が持ち味である。東北地方でバス会社の経営に参画し、4年間で11%の賃金アップを実現した。


「地方のベストプラクティス、成功例を横展開することが必要だ」。問題は地方創生を担う人材をどう確保するか。「訳の分からないIT企業よりも地方企業では社会的意義があることを実感できる」と冨山さん。地方の会社で経営幹部として働くことに興味を持つ優秀な若者は増えているという。官民で「人材ファンド」をつくり、地方へ人材が移動する仕組みづくりも提案。予算のばらまきを防ぐためにも、知恵を絞ってほしい人物である。


ゲスト / Guest

  • 冨山和彦

    経営共創基盤CEO / Representative Director and CEO of Industrial Growth Platform, Inc

研究テーマ:成長戦略には何が必要か 現場からの視点

研究会回数:13

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