2014年08月07日 14:00 〜 15:00 10階ホール
近藤駿介 原子力発電環境整備機構理事長 記者会見

会見メモ

高レベル放射性廃棄物の処理事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の近藤理事長が会見した。世界各国の事情も紹介しながら、NUMOの取り組みについて説明した。国が前面に立つとしている最終処分場候補地選定について、「科学的な適地選定」が具体的にどういったことなのか、などを詰めていきたい、とした。

司会 服部尚 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞社)


会見リポート

核のごみ処分 新理事長として方向性示す

服部 尚 (企画委員 朝日新聞編集委員)

高レベル放射性廃棄物処分場の候補地は自治体の公募待ち、事業の完了は40年後。そんな組織で職員にどんなミッションを抱かせて、やる気を起こさせるのか。「固有の難しさがある」と悩みを明かしたが、近藤氏自身の方向性ははっきりしているように見えた。


かつて、朝日新聞のインタビューで福島原発事故への原子力関係者の意識の乏しさを問うたとき「感受性が鈍いのかなと思わないわけではない」と素直に認めた。原発の安全対策に長く携わってきた自身への反省も漂わせた。核のごみの始末に真っ向から取り組む組織のトップ就任を受けたのには、ある種の責任感もあったのだろう。


日本学術会議は地層処分をいったん白紙に戻し暫定保管にして議論すべきだということや、高レベル放射性廃棄物の総量規制を検討すべきだという提言を出している。この点も含めて「議論を続けるべきだ」という姿勢を示した。立地自治体も、どこまで線引きすべきか組織内で検討を始めたことも明かした。前面に立つという国にプレッシャーをかける姿勢も垣間見えた。核のごみ対策をどこまで変えられるのか、注視したい。


ゲスト / Guest

  • 近藤駿介 / Shunsuke Kondo

    日本 / Japan

    原子力発電環境整備機構理事長 / President, Nuclear Waste Management Organization of Japan

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