会見リポート
2014年07月07日
15:00 〜 16:00
著者と語る『歩いて行く二人』 岸惠子さん 吉永小百合さん
会見メモ
会見リポート
飾らぬ言葉で
岸惠子さん
▽いま演じたら、きっといいものができると思う。認知症の女性をコミカルに演じてみたい▽立ち振る舞いがきれいな男性が好き。男優では池部良さんがすてきだった▽原発はない方がいいが、核廃棄物の問題などを考えると即断は禁物。科学者と一緒にじっくりと考えて判断すべき▽ビアフラ、ウガンダ、シリア…紛争が各地で次々に起きており、人間がよほど思慮深くならないと世界平和は実現しないと思う。
吉永小百合さん
▽「好きになっても、相手が私を好きと意思表示してくれないと自分から動けない」と宇野千代さんに話したら「あなたはケチですね」と言われた▽遊女役で私のはだけた背中を見た共演の坂東玉三郎さんから「それ以上、水泳やらないで!」と注意された。それほど筋肉がある▽男優では森雅之さんと松田優作さんがすてきだった。宇野重吉さんのようにホカホカ、ゴツゴツしたジャガイモのような男性もいい▽「3・11」以降、人間と原発は共存不可能だと思うようになった。「さよなら原発」の思いを声に出していきたい。
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<司会を終えて>
会見をどのように運ぶかは、なかなか厄介なことである。党首討論なら聞くべき事は決まっている。問題はどう聞くかだ。ところが、2大女優の〝競演〟では、何を聞くのが適切なのかがまず問われる。終わった後で出席者に感想を聞いてみた。厳しい批判が返ってきた。一方がしゃべり過ぎるのをどうして止めなかったのか。映画作品についての思い出をもっと詳しく聞きたかった。質問したのに取りあげられなかった……。
司会を引き受けたときから、作品論に時間を割くつもりはなかった。時事問題にコメントを求めることも控えめにしたいと思った。女優であるということはどういうことか。パリと東京に生きて何を思ったのか。人生の円環をどのように閉じたいと考えているのか。勝手ながら、そう思っていた。
その目的はそれなりに果たされたのではないかとは思っているが、様々な意見があろう。なかなか難しいものである。
企画委員 読売新聞特別編集委員
橋本 五郎
ゲスト / Guest
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岸惠子、吉永小百合
研究テーマ:著者と語る『歩いて行く二人 岸惠子 吉永小百合 人生を語る、未来を語る』