会見リポート
2014年07月02日
15:00 〜 16:00
10階ホール
玉木林太郎 OECD事務次長兼チーフエコノミスト 記者会見
会見メモ
会見リポート
日本の財政再建へ注文 年金システムに大きな不安
川北 隆雄 (東京新聞出身)
財務省の国際金融・通貨を担当する財務官から転じて3年。経済協力開発機構(OECD)が100周年を迎える2060年までの、今後約50年間の政策課題を語った。向こう半世紀の予測は、多くの人にはあまりうれしくないものだ。
世界の経済成長は鈍化し、所得は増えるものの、格差は依然として残るという。高齢化が、人口増加による成長を妨げるので、イノベーションと生産性上昇が必要になり、そのカギが教育と技能の向上だと指摘する。先進国への移民供給源だった新興国そのものも高齢化するため、移民に頼ることは難しくなる。「日本はまだ生産性が低いので、キャッチアップ余力がある」という意見は、うれしくないような、うれしいような……。
質疑応答で、「日本の財政は非常に深刻。特に年金システムが。2020年にプライマリーバランス(基礎的財政収支)をプラスにするという財政再建計画は、楽観的過ぎる。一刻も早く、詳細でマーケットが信頼するプランを出してもらわないと……」と、注文を付けた。これは、財政規律を重視する財務官僚としての本能からか、エコノミストとしての客観的分析からか。
ゲスト / Guest
-
玉木林太郎 / Rintaro Tamaki
OECD事務次長兼チーフエコノミスト / Secretary-General, Chief Economist, OECD