会見リポート
2014年06月12日
11:15 〜 12:00
10階ホール
ビショップ豪外相、ジョンストン豪国防相 記者会見
会見メモ
会見リポート
進む日豪の「同盟化」 集団的自衛権行使も歓迎
会田 弘継 (企画委員長 共同通信特別編集委員)
着々と進む日本・オーストラリアの「同盟化」を強く印象づけた記者会見だった。両国の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を受け、ビショップ外相(写真右)とジョンストン国防相が登壇した。
自由党(保守系)のアボット豪政権が昨年9月に発足して以来、初の2プラス2だ。この4月の安倍・アボット両首相の会談で両国の協力関係を「新たな特別な関係に引き上げる」ことを決めたのを受け、さっそく防衛技術協力で実質合意した。
安倍首相が7月にも豪を訪問し、最終合意。世界最高レベルといわれる日本の通常型潜水艦の技術が移転される。米英に続き日本は豪と防衛技術協力で協定を結ぶ。
ビショップ外相は、日豪両国は「民主主義」「法の支配」といった価値観を共有している、と強調。日本が集団的自衛権の行使を容認すれば、豪とともにアジア太平洋地域と世界で「より積極的貢献」ができると歓迎の意を示した。
ジョンストン国防相は、日豪による防衛の「能力基盤、技術、ドクトリン」の共有に期待を表明。「深く、長期的な防衛協力」の必要性を訴えて、ちょうど100年前の第1次世界大戦時、日本の巡洋戦艦「伊吹」が豪部隊を戦地に運ぶ船団を護衛したのを記念する式典が、今秋に行われることを紹介した。
第2次大戦で敵対したことを忘れて、「同盟化」を推し進めたい両国。中国の台頭が背景にあるのは、言うまでもない。
「同盟化」に前のめりの2人に対し、東京裁判のウェブ裁判長を出した国として安倍首相の靖国参拝をどう見るか、という質問が出た。ビショップ外相も、この点では「歴史問題」が落とす影について、日本にくぎを刺さざるを得なかった。
ゲスト / Guest
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ジュリー・ビショップ外相、デービッド・ジョンストン国防相 / Julie Bishop, Foreign Minister / David Johnston, Defense Minister
オーストラリア / Australia