2014年05月30日 14:00 〜 15:15 10階ホール
ヘイミソン 駐日アイスランド大使 記者会見

会見メモ

ヘイミソン・駐日アイスランド大使が今年6月に独立70周年を迎える同国の、経済、産業、エネルギー、対日経済関係などについて包括的に説明した後、経済危機克服の処方箋、北極開発や捕鯨問題などの質問に答えた。

司会 脇祐三 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)

通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

「島国の志」を説く

脇 祐三 (企画委員 日本経済新聞コラムニスト)

北極圏に近接する島国アイスランドは火山の噴火や地震が多く、水産業が盛んで捕鯨の伝統があり、長寿の国としても知られる。昨年8月に着任した大使は、日本との共通点だけでなく、多くの国々と自由貿易協定を結び、エネルギーのほとんどを水力と地熱でまかなう国の紹介に熱弁をふるった。


金融センター育成構想がリーマン・ショックで挫折し、深刻な経済危機に陥ったが、2011年から経済は成長軌道に戻った。天然資源と国民の勤勉さを生かし、持続可能性を重視した「基本に戻る政策が奏功した」と大使は説明する。


海産物に加えて、乳製品や野菜などの輸出が伸びているのは、農業の効率と品質の向上を追求した成果だという。ソフト面を含めて受け入れ態勢を整えた結果、人口の3倍以上、100万人を超える外国人観光客が1年間に訪れるようにもなった。


国民の1%が常に海外に留学しており、「外国の考え方や知識を持ち帰ることが競争力の源になる」と大使は力説した。中国との経済関係が拡大しつつあるものの、国内の大学で英語の次に履修者が多い外国語は日本語という話も興味深い。


大使の説く「島国の志」が、出席者に強い印象を残す会見だった。


ゲスト / Guest

  • ハンネス・ヘイミソン / Hannes HEIMISSON

    アイスランド / Iceland

    駐日大使 / Ambassador to Japan

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