2014年05月26日 15:00 〜 16:00 10階ホール
研究会「労働者派遣法の改正」 家中隆 日本人材派遣協会会長

会見メモ

一般社団法人日本人材派遣協会の家中隆会長が会見し、派遣業界の現状、派遣制度についての協会の考え方、改正派遣法案の評価などについて述べた。質疑応答では、大原博理事とともに、改正法案で義務付けられたキャリアアップのための派遣労働者への教育訓練などの問題について、業界の取り組みを説明した。

司会:水野裕司 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)

写真:家中会長(左)と質問に答えた大原博理事。


会見リポート

「派遣をキャリアアップに」

川北 隆雄 (東京新聞出身)

「格差社会」の象徴として語られることが多い派遣労働者は1990年代末に範囲が大幅に拡大され、2004年に日本の基幹産業というべき製造業にも解禁されたことで急増した。08年のリーマン・ショックでいったん減少したものの、再び増え始めている。折しも、さらなる業務拡大を図る労働者派遣法改正案が今国会に提出されている。


家中氏は、法改正で派遣を「雇用の安定」「労働者のキャリア形成」に資するようにしたい、と言う。しかし派遣が急増したのは、不況時には容易に「派遣切り」「雇い止め」ができるからで、リーマン後に激減したのはそのためというのが通説である。正社員に比べてキャリア形成がしにくい雇用形態であることも大方の常識だ。


家中氏がしばしば「派遣という雇用形態を労働者のキャリアアップにつなげたい」と強調するのは、派遣労働を扱う事業者としては当然のことかもしれない。しかし、それを実現するには、「派遣は、安くて調節弁的な労働力」と見なす経営者側の意識変革が求められる。


ゲスト / Guest

  • 家中隆 / Takashi, Ienaka

    日本 / Japan

    一般社団法人日本人材派遣協会会長 / Chairman, Japan Staffing Services Association

研究テーマ:労働者派遣法の改正

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