2014年05月19日 14:00 〜 15:30 10階ホール
研究会「インド総選挙」竹中千春 立教大学教授

会見メモ

立教大学の竹中千春教授(インド政治)が、インド総選挙で最大野党・インド人民党(BJP)が大勝した勝因や今後の政治課題について話した。勝因の1つは、ソーシャルネットワークを含めメディアが集中してグジャラート州首相のナレンドラ・モディ氏を取り上げ、カリスマ創造に一役買ったことも大きかった、とした。

司会:軽部謙介 日本記者クラブ企画委員(時事通信社)


会見リポート

政権交代 巨大市場インドが向かう先は

軽部 謙介 (企画委員 時事通信解説委員長)

「12億の人口を抱える世界最大の民主主義国」と聞いただけでつい尻込みしてしまうが、非常に分かりやすい解説だった。インドの政治や社会を対象にフィールドワークを繰り返しているからだろう。


総選挙で圧勝し首相となったナレンドラ・モディ氏は、ヒンズー至上主義団体に所属し、イスラム教徒虐殺を放置したと批判されたことがある。同氏の率いるインド人民党は暴力組織や狂信的な宗教グループにも支えられているそうだ。そんな恐ろしげな人物がどうして首相になれるのか。


リーマンショックの余波で経済拡大のスピードがダウン。巨大な人口を抱えるだけに、パイを大きくしないと深刻な社会問題が発生しかねない。国民はグジャラート州首相としてインフラ整備を進め、地域経済の発展に成功したモディ氏に期待を託したわけだ。「とにかく経済成長を」ということらしい。


台頭するナショナリズムや「ヒンズー史観」をコントロールできるのか。どうやって保護主義とグローバル化のバランスをとるのか。パキスタンとうまくつきあっていけるのか。それらの答えは「もともと右翼だった人民党がどこに行くのかによる」とのことだった。


ゲスト / Guest

  • 竹中千春 / Chiharu Takenaka

    日本 / Japan

    立教大学教授 / Professor of Rikkyo University

研究テーマ:インド総選挙

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