2014年04月30日 15:00 〜 16:00 10階ホール
清水敏男 福島県いわき市長 記者会見

会見メモ

清水敏男・いわき市長が会見し、被災地でありながら、双葉地方の約2万3000人の避難者を受け入れている中での復興の現状を説明した。

医(医師不足)、職(雇用)、住が震災前からの市の課題であり、この3分野を重点的に取り組んでいる、とも。

司会 島田敏男 日本記者クラブ企画委員(NHK)


会見リポート

理不尽な原発事故 それでも前を向く

菅野 篤司 (福島民友新聞社東京支社報道部)

「津波や家屋損壊で仙台市に次ぐ被害を受けた被災地でありながら、東京電力福島第1原発事故の避難者を支援する特異な事情の自治体」との冒頭の言葉が、いわき市の現状を正確に表現している。市長の双肩には、甚大な地震、津波被害からの復興と、歴史的にもつながりが深い双葉郡の原発周辺町村からの約2万3千人の避難受け入れに、同時に取り組む重責がのしかかっている。


会見は「衣食住」ならぬ、医療環境の充実と雇用・産業の振興、不足が深刻化している宅地の確保をテーマとした「医、職、住」の市政課題について、解決に取り組もうとする前向きな姿勢が前面に出た内容となった。ただ、福島第1原発の確実な廃炉作業、汚染水対策の充実、県内原発10基全ての廃炉などについて、国と東電の早急な対応が必要であることには、しっかりとくぎを刺していた。


国との関係には「言いたいことはたくさんあるが、けんかしてはいけない。話し合いの中で良いものを引き出すことが大事」と述べた。こうした言葉の裏に隠れている、原発事故がもたらした理不尽な状況に耐え、それでも前を向く福島県民の苦悩を感じ取るのが報道人の責務ではないか。


ゲスト / Guest

  • 清水敏男 / Toshio Shimizu

    日本 / Japan

    福島県いわき市長 / Mayor of Iwaki city, Fukushima Prefecture

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