2014年04月15日 15:00 〜 16:15 宴会場(9階)
クリフ 新駐日チュニジア大使 記者会見

会見メモ

クリフ駐日チュニジア大使が会見し、本年1月に承認された新憲法を受け、年内に大統領選と議会選が行われる予定だと述べた。治安状況は回復しており、技術移転や雇用の拡大を伴う日本からのさらなる投資を歓迎する、とも。

司会 脇祐三 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)

通訳 新谷恵司


会見リポート

「アラブの春」を対話で保つ

脇 祐三 (企画委員 日本経済新聞コラムニスト)

チュニジアは「アラブの春」の発端になった国だ。野党指導者の暗殺や、テロの企てもあり、一時は民主化の道筋に黄信号がともった。だが、「国民は過激な思想や暴力を拒否し、対話によって主要な勢力間の合意ができた」と大使は力説した。


1月に制定した新憲法は独裁復活を防ぐため、議会の第1党が主導する内閣と大統領が権力を分かつ体制や、司法の独立を明確にした。女性の社会的・政治的権利や言論・表現の自由を保障し、人権を守り拷問を禁じる……。アラブで最も先進的な新憲法の定着に、人権、メディアなど政府から独立した5つの委員会が目を光らせるという。


内戦が続くシリア、流血の衝突がやまないエジプトと違って、チュニジアは春の気配を保つ。「教育や啓蒙活動によって、寛容の精神、連帯や対話の姿勢が国民に浸透しているからだ」。大使は混乱回避の一因を、そう説明した。


とはいえ、経済の悪化は深刻で、対外債務が膨らむ。観光客は徐々に戻りつつあるが、直接投資は低迷から脱していない。「技術移転と雇用創出を伴う投資を、ぜひ日本が」。冷静な語り口の会見の最後に、日本への強い期待も込めた。


ゲスト / Guest

  • ファラード・クリフ / Farhad KHLIF

    チュニジア / Tunisia

    駐日大使 / Ambassador

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