2014年04月10日 00:00 〜 00:00
関西文化プレスツアー

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会見リポート

大阪・京都で“伝統”に触れる

秦野 るり子 (読売新聞調査研究本部主任研究員)

お堅いテーマで知られる日本記者クラブツアーだが、今回は、「関西文化」を見聞しようという異例のもので25人が参加した。


まずは、大阪にて文楽を探究。人形遣い・桐竹勘十郎さんの話を聞いた後に「菅原伝授手習鑑」を鑑賞。人間国宝・竹本住大夫の引退公演という、文楽初心者には「猫に小判もの」だったが、住大夫と、やはり人間国宝の人形遣い2人が共演する段は、素人でも違いがわかるまさに名人芸。若手の大夫らとの懇談の場も設けられ、橋下大阪市長の補助金削減に対する強い不満の声が聞けた。


2日目は、京都に移動し、浅草寺の雷門を飾る大提灯を制作した「髙橋堤燈」を見学。制作手法や、材料へのこだわりなどの説明を興味深く聞いた。


料亭「菊乃井」では、和食を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録するのに貢献した主人・村田吉弘さん、特区制度を利用して菊乃井で働くフランス人のジュリアン・ヴェラさんと質疑応答。


菓子司「末富」では、主人の山口富蔵さんから「ほんまもんの和菓子」を作り続ける心意気と難しさを聞いた。


最後は、「川島織物セルコン」にて、織物文化館と緞帳作りを見学。西陣織から継承する高い技術を間近に見学し、生き残りをかけて業態を変化させてきた歴史を傾聴した。


非常に充実したプログラムだったが、内容と共に印象的だったのは、訪問先の方々がよくしゃべること。しゃべくり上手は大阪人だけかと思ったら、京都の人々も、であった。


ゲスト / Guest

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