2014年03月11日 16:00 〜 17:15 10階ホール
日中韓三国協力事務局トップ 記者会見

会見メモ

日中韓三国協力事務局(TCS)の設立の経緯、目的、活動内容などについて、以下の執行部トップが会見した。下記写真、ゲスト名は左から

■岩谷滋雄・事務局長(前駐オーストリア大使)

■陳峰(ちん・ほう)・事務次長(元中国外交部アジア局参事官)

■李鍾憲(イ・ジョンホン)・事務次長(元在独韓国大使館公使参事官)
です。

司会 坂東賢治 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

通訳 宇尾真理子(サイマル・インターナショナル)

日中韓三国協力事務局のウェブサイト

http://jp.tcs-asia.org/dnb/main/index.php


会見リポート

日中韓 一緒に夢をみられるか?

阪堂 博之 (共同通信編集委員)

こういう組織があることを、すっかり忘れていた。それほど「日中韓協力」という言葉に現実味が感じられない昨今である。この日の会見は、いまの閉塞状況に少しでも風穴を開けたい、という思いからだろうか。


「日中韓三国協力事務局」(TCS)は首脳合意に基づいて2011年9月、ソウルに設置された国際機関だ。事務局長は持ち回り、予算も3等分で、設立目的は「日中韓の平和と繁栄の促進」という。


岩谷事務局長は、領土や歴史などの問題で2国間に困難があることを認めながら「(それと)切り離した形で3国間の協力プロジェクトを推進すべきだ」と訴えた。昨年は日中韓首脳会談が一度も開かれず、2国間問題が影を落としているのは明らかだが「首脳会談が開かれないからといって、3国間協力が止まることはない」と述べた。


協力対象は防災や環境、エネルギー、林業など多岐にわたるが、陳峰事務次長は、さらに「自治体レベルの3国間交流」を挙げた。2国間の姉妹都市提携を3国間に拡大すれば「政治的緊張緩和につながるのでは」というアイデアだ。


李鍾憲事務次長は、領土や歴史などのマイナス要因が「メディアによって誇張されて伝わっている」と発言。「10年単位で見れば①地理的な近さ②経済の相互依存関係③文化交流―などのプラス要因がマイナス要因を上回るだろう」との見方を示し、こう言った。「1人で夢みれば、それは夢に過ぎないが、一緒に夢みれば、それは現実になる」。


一緒に夢をみることができるのか。いま、日中韓に問われているのは、そのことかもしれない。ただ、みる夢は果たして同じなのかどうか、そこを聞き漏らした。


ゲスト / Guest

  • 日中韓三国協力事務局 / Trilateral Cooperation Secretariat (TCS)

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