2014年02月13日 17:00 〜 18:00 宴会場(9階)
稲嶺進 名護市長 記者会見

会見メモ

稲嶺進・名護市長が会見した。1月の名護市長選は全国から注目をあびたが、沖縄の内実が届いていない。それを発信してもらうために会見に臨んだ、と述べた。

選挙の結果示された民意を重視すべきだと思う。日本の民主主義のあり方はこのままでいいのかを、内外に問う必要がある、とも。

司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

普天間移設問題 「その内実こそ伝えてほしい」

大石 格 (日本経済新聞政治部編集委員兼論説委員)

この会見前に日本外国特派員協会でも話してきたそうだ。「普天間移設問題は全国から注目を浴びてきたが、その内実は一般国民の耳や目に届いていない」。会見冒頭で来訪の目的を、こう力説した。沖縄でいくら語っても日米両政府に声が届かないとの思いがあるのだろう。


ケネディ駐日米大使との会談の翌日ということもあり、会場はいっぱいになった。本土と沖縄の長い不幸な歴史を考えれば、こうした情報発信活動が重要なのは、その通りだ。


移設に必要な埋め立て工事の許認可権を持つ沖縄県と異なり、名護市には移設を拒む法的な権限はない。どんな対抗手段を考えているのか。会見の焦点はそこにあり、司会は「自治体の権限で相当のことができると言う人もいる」と尋ねた。


だが、「市民の安全と財産を守る立場から市長に与えられた権限を行使することは、いささかも責められるものではない」と移設工事に間接的にかかわる権限を発動する可能性をにおわせるにとどまった。国を相手に訴訟を起こすのかどうかなどにも触れなかった。


国はすでに移設工事の入札公告を終えたが、実際に工事が始まるのは早くて来年だ。埋め立てを承認した仲井真弘多知事の任期が年末に切れることを考慮すれば、いまから詳しい手の内を明かす必要はないのかもしれない。


もしも関連権限を用いての「順法闘争」となれば、世論の理解を得られるかどうかが成否を左右する。「日本の民主主義の熟度が試される」と挑発的な物言いをしたのは、世論の関心を集める狙いだろう。


普天間基地の返還が実現したとしても、在日米軍の専用施設の7割超が沖縄にあることは変わらないとの説明もあった。沖縄の不満が解消される日を迎えるには、とてつもない努力が必要であることをあらためて印象づけた。


ゲスト / Guest

  • 稲嶺進 / Susumu Inamine

    日本 / Japan

    沖縄県名護市長 / Mayer of Nago city, Okinawa

ページのTOPへ