2014年02月07日 15:00 〜 16:30 10階ホール
研究会「2014年経済見通し」河合正弘 アジア開発銀行研究所長

会見メモ

「世界経済・アジア経済の課題と日本経済」と題して、アジア開発銀行研究所の河合正弘所長が話した。(会見の内容は、2014年2月7日時点の見解です)

司会 日本記者クラブ企画委員 実哲也(日本経済新聞)


会見リポート

中印は減速、ASEANは成長を持続

中西 享 (共同通信客員論説委員)

2014年のアジア経済の見通しについて、河合氏は「中国とインドの成長は減速するが、ASEAN(東南アジア諸国連合)は成長を持続し、1997年型の金融危機に陥る可能性は低い。しかし脆弱なファンダメンタルズを持つアジア諸国には注意が必要」と指摘した。


FRB(米連邦準備制度理事会)による量的緩和の縮小による影響は「金融変動への警戒が必要で、インドネシアなど外貨準備に占める短期対外債務比率の高い国は、一気に短期資金が流出する恐れがある」との見方を示した。中国経済の先行きは「長期的な成長鈍化は自然な現象で、今後も5~6%の高い成長が続くが、シャドーバンキングの広がりや国有企業改革の遅れなどのリスクも大きい」と述べた。


日本経済の課題については「円安・株高を支えてきたのは外人投資家で、安倍政権は彼らを納得させる『成長戦略』の実行が必要」と話し、具体的には「女性パワーの活用、エネルギー電力市場の改革、賃金アップ」などを挙げた。対外的には日中韓の協調により成長戦略を後押しする必要があるとし、そのためには「日中韓は我慢比べをやめるべきだ」と強調した。


ゲスト / Guest

  • 河合正弘 / Masahiro Kawai

    日本 / Japan

    アジア開発銀行研究所長 / Dean & CEO, Asian Development Bank Institute ( ADBI), Japan.

研究テーマ:2014年経済見通し

研究会回数:0

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