2014年01月24日 11:00 〜 12:00 10階ホール
遠藤智 広野町長 記者会見

会見メモ

旧緊急時避難準備区域で、2012年3月に役場機能を戻した、広野町の遠藤智町長が会見した。安心して日常生活に戻れるように、商業施設の整備と医療体制の強化が自分に与えられた使命である、と。

司会 瀬口晴義 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)


会見リポート

震災からまもなく丸3年 帰町への道のり遠く住民にストレス

清水 正樹 (フジテレビ報道番組部長)

「避難生活から帰町へ」。遠藤町長は終始、丁寧な語り口で自らの使命を語った。


昨年11月に町長に当選して「医」(医療)、「職」(雇用)、「住」(住居)の充実こそが住民帰還に必要だと訴える。町が行った住民への意識調査では「町に帰りたい」が6割、「わからない」3割、「帰らない」1割。広野町は、すでに緊急時避難準備区域の指定が解除されており、いまもエリア内への立ち入りが制限されている近隣町村に比べて「帰りたい」と考える人の割合が多いようだ。しかし今年1月の段階で町に戻った人は約1300人。震災前の住民の2割強にとどまっている。しかもその多くは高齢者である。家族が元通りの生活をするための道のりは遠く険しい。


なるほど、と思わされたのは除染や廃炉作業員の受け入れ問題だ。住民の帰町が進まない中、除染や廃炉作業のため町内に居住する関係者は実に約2400人。多くの見知らぬ人が町内に居住していることで、住民にさまざまなストレスが生じているようだ。


まもなく大震災から丸3年だが、被災地はいまも課題山積。「震災から3年」を決して記念日報道にしてはなるまいとあらためて思った会見だった。


ゲスト / Guest

  • 遠藤智 / Satoshi Endo

    日本 / Japan

    広野町長 / Mayor of Hirono Township, Fukushima

研究テーマ:「福島県双葉郡8町村のいま」

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