2013年12月11日 15:00 〜 16:00 10階ホール
石破茂 自民党幹事長 記者会見

会見メモ

自民党の石破茂・幹事長が会見し、税制大綱、TPP交渉、農業改革、普天間基地移設、エネルギー政策、特定秘密保護法成立後の取り組みなどについて話した。

司会 橋本五郎 日本記者クラブ企画委員(読売新聞社)


会見リポート

政権与党のナンバー2 「特定秘密保護法」発言で波紋

橋本 五郎 (企画委員 読売新聞特別編集委員)

会見自体は内容のあるものだった。政権発足から間もなく1年。消費税の増税を決めても内閣支持率がそれほど下がらないという安定した政権与党のナンバー2。政策課題についての発言には、自信を背景にした重みもあった。


TPP交渉の現状と見通しを述べながら、農政改革が急務であることを強調した。これからの農業を考えるにあたって、自給率の向上を自己目的化してはならず、農地面積を確保し農業所得を増やすことが必要であるということも、その通りだろう。


普天間の移設問題では、「最低でも県外」を唱え、それまでの積み上げ努力を台無しにした鳩山元首相を、いまさら責めても仕方がない。もう民主党を批判することは一切しないと言い切り、日本全体で負うべき負担はできるだけ日本全体で負うように努力することを熱っぽく語った。


原発についても、世界の動向を展望しながら、エネルギー政策に関する基本的な考え方を分かりやすく説明したといえるだろう。


問題は、無理な形で成立させた特定秘密保護法についての「報道抑制」発言である。このあと何度か訂正・釈明することになるが、司会をしながら「得意分野で足をすくわれる」懸念を覚えた。


防衛庁長官、防衛大臣として報道に対して苦い経験もあったであろう。国家秘密には一家言あるという自負もあったのかもしれない。しかし、安倍首相自身が細心の注意を払って綱渡りのような対応をしている中で、本音を正直に表明する(?)ことがどんな影響を及ぼすかぐらいの配慮がトップを目指すなら必須だ。


国民を守るためにも国家機密が必要であることは論をまたない。この法案が戦前の治安維持法の再来であるかのような論に私自身は強い違和感を覚える。ただ、その取り扱いは慎重の上にも慎重であるべきだ。ナンバー2ならば、それがにじみ出てくるようでなければなるまい。



ゲスト / Guest

  • 石破茂 / Shigeru Ishiba

    日本 / Japan

    自由民主党幹事長 / Secretary-General of the Liberal Democratic Party (LDP)

ページのTOPへ