2013年12月04日 15:45 〜 16:45 10階ホール
菅野典雄 飯舘村村長 記者会見

会見メモ


全村避難が続く飯舘村の菅野典雄村長が会見した。次のような5つの課題に直面しているという。
①除線、②賠償、③復興計画、④避難者の健康管理、⑤教育
このうち①~④については国などとの担当者と議論できるが、村内に学校が開けない状況での教育問題は最も深刻で、将来ボディーブローのようにきいてくるのではないかと危惧している、と。

司会 村田泰夫 日本記者クラブ企画委員


会見リポート

被災から3度目の冬 全村避難続く

村野 坦 (朝日新聞出身)

福島の原発事故被災町村の「いま」を聞く連続企画の一環で、くしくも被災から1000日に当たる日の会見になった。


原発から30キロ以上離れているのに、放射能汚染で全村避難を余儀なくされた飯舘村。1700世帯、6000人だった住民はいま、3700世帯に分散、9割近くが村から1時間以内の仮設住宅などで「身も心も限界に近い状況」で3度目の冬を迎えている。そこに直面する除染、損害賠償、村民の就労、生活支援や健康問題への対応を手際よく説明した。一番の難題として、全国各地に転校している子どもたち1700人の教育を挙げた。


今後について村民アンケートでは、村に「帰りたい」「帰らない」「分からない」が3分の1ずつ。「1人でも多く戻ってもらう環境を作っていく」と語る。村づくりに掲げていた、ゆったりとした生活への指針「までいライフ」が日本の将来にも必要、と説く。そのとき硬かった表情が緩んだ。


被災から1カ月後、調査取材で立ち寄った飯舘村役場で対策に忙殺される菅野村長の姿を見ている。その後の選挙で5選されたが、変わらぬ日々が続いているようだ。


ゲスト / Guest

  • 菅野典雄 / Norio Kanno

    日本 / Japan

    飯舘村村長 / Mayor of Iitate Township, Fukushima

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