2013年11月18日 15:40 〜 16:40 10階ホール
キウル フィンランド教育科学相 記者会見

会見メモ

フィンランドのクリスタ・キウル教育科学相が会見した。フィンランドの教育が機能しているのは、国民が教育制度に信頼を置いていることが、背景にある。1968年に導入した基礎教育の改革により、すべての国民が、居住地域、性別、家庭環境、財政状況に係わらず、教育を受けられることが出発点になっている、と。

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員
通訳 西村好美


会見リポート

教育大国 教師への信頼があってこそ

杉田 弘毅 (企画委員 共同通信編集委員室長)

フィンランドと聞けば、北欧の中規模の福祉国家、サウナ発祥の地、携帯電話のノキアが生まれた国と思い浮かぶ。最近のフィンランドは、さらにいくつかの力強いイメージが加わった。


世界経済フォーラムの競争力順位で、フィンランドは3位(日本は9位)、女性の進出順位では2位(同111位)。経済協力開発機構(OECD)の国際成人力調査(PIAAC)でも、読解力で2位(同1位)など高い順位を付けた。「競争力でトップになるのが国の目標」と正直だ。


会見では躍進の基盤となる教育の質、特に教師への「信頼」が何度も繰り返された。「人口わずか540万人。貧乏な国が発展できたのは国民こそ財産と意識したからだ」。教員への応募も10倍強と高く、「先生になるのは大変な名誉」。ちなみにご本人も教員だった。成人教育を除き全ての教育が無料という。1クラス20人。教育大国と呼ぶべきだろう。


「フィンランドではいじめはないのか」。誰もが知りたいこの質問に「日本もフィンランドも共通の課題はある。解決法は子どもに人生の目的、好奇心を持たせること」。20人のクラスで起きるいじめとは、どんなものか。追加質問は時間切れでできなかった。


ゲスト / Guest

  • クリスタ・キウル / Krista Kiuru

    フィンランド / Finland

    教育科学相 / Minister of Education and Science

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