2013年11月27日 10:30 〜 12:00 10階ホール
シリーズ企画「中国とどうつきあうか」 趙全勝 アメリカン大学国際関係学部教授・アジア研究所長

会見メモ

趙全勝・アメリカン大学国際関係学部教授・アジア研究所長が、「米中関係―日本へのインパクト」と題して話した。米中の経済力、軍事力、技術力の比較や中国発展の阻害要因などから、中国が米国にとって代わるのは時期尚早ではないかとした。双方にとってメリットがあるのは、「管理された大国関係」を目指すべきだというのが自論だ、と。

司会 日本記者クラブ企画委員 杉田弘毅(共同通信社)


会見リポート

大国意識が充満する「リアルな中国」

杉山 祐之 (読売新聞論説委員)

巨大化する中国と、日米両国との関係について語った。直前に中国政府が東シナ海に防空識別圏を設定し、絶妙のタイミングの研究会となった。


米国で30年以上、研究生活を送り、米国の市民権も持っている。ただ、生まれは中国山東省、卒業は北京大学だ。母国・中国の思考に対する分析に、なるほどと思う部分が多かった。


防空識別圏の設定は、昨年9月に日本政府が尖閣諸島を国有化した後、中国政府が示してきた反発の一環であり、「自然な流れ」だと言う。設定の意図に関しては、「争いを棚上げする提案が、日本政府に前向きに受け止められていない。中国は、少なくとも領土問題が存在することを日本に認めさせたいと思っている」と述べた。


日本側にすれば、とても承服できない。あまりに強圧的で、危険な論法だ。しかし、現に、中国は強圧的で、危険な行動を次々に取っている。防空識別圏設定さえ「自然な流れ」と見なす目は、リアルな中国を見ているのかもしれない。


中国側には、日本を「トラブルメーカー」扱いする対日観も出てきたそうだ。これもまた、大国意識が充満する隣国の現実なのだろう。


ゲスト / Guest

  • 趙全勝 / Quansheng Zhao

    アメリカン大学国際関係学部教授・アジア研究所長 / Professor of international relations and Director of Center for Asian Studies at American University

研究テーマ:中国とどうつきあうか

研究会回数:7

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