会見リポート
2013年10月18日
10:30 〜 11:30
10階ホール
エルッキ・トゥオミオヤ フィンランド外相 記者会見
会見メモ
フィンランドのエルッキ・トゥオミオヤ外相が北極圏開発、サイバー対策、最近のロシアとの関係などについて話し、記者の質問に答えた。
司会 日本記者クラブ企画委員 杉田弘毅(共同通信社)
通訳 西村好美(サイマル・インターナショナル)
会見リポート
極右台頭、背景に格差への不満
松尾 圭介 (時事通信外信部)
2000~07年に外相を務めた後、11年から再登板している。良い時も悪い時も見てきた。フィンランド外交のみならず、21世紀欧州外交の生き証人だ。
最近の欧州は経済危機に伴い、どこの国でも極右の台頭が目立つ。フィンランドも例外ではない。「反EU(欧州連合)」を掲げる「真正フィン人党」が11年の総選挙で大躍進。いまや最大野党だ。
しかし、トゥオミオヤ外相は会見で「極端な理論に迎合する団体だが、だからといって『極右』とまではいえない」と指摘した。躍進の理由としては「人種差別や極端な政策より、格差への不満を捉えたものとみている」と解説する。
もちろん「私が彼らを好きなわけではない」とも念押し。ただ、最近はフランスの極右・国民戦線(FN)も微妙な路線修正を重ね「『極右』と書いたら訴える」と記者を脅している。「極右」のレッテル貼りだけでしのげるほど「いわゆる極右」勢力の現在の台頭は甘くはなさそうだ。大衆の不満を巧妙に吸い上げる「大衆迎合」の本質を見極めるよう、外相は強い警告を発した。
ゲスト / Guest
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エルッキ・トゥオミオヤ / Erkki Tuomioja
フィンランド / Finland
外相 / Foreign Minister