2013年10月29日 12:00 〜 13:30 宴会場(9階)
マヌ・ヴィルタモ フィンランド新駐日大使 昼食会

会見メモ

フィンランドのヴィルタモ駐日大使が会見し、①フィンランドのエネルギー事情、②ノキア携帯部門売却後の経済・産業の展望、③ロシアへのゲートウェイとしてのフィンランドと日本の協力について話した。

司会 日本記者クラブ企画委員 脇祐三(日経新聞)

通訳 高松珠子(サイマル・インターナショナル)

会見リポート

原発問題・対露関係 日本と共有する課題

三好 範英 (読売新聞編集委員)

会見1カ月前に着任したばかり。米国勤務が長く、主に経済問題を担当してきた職業外交官だ。自国に関する会見のテーマは3つ。エネルギー政策、企業の活力、ロシアへのゲートウエーとしての地の利。


フィンランドは現在4基の原発を稼働させており、5基目を建設中、さらに2基の建設が決まっている。日本の現状から、この原発推進姿勢についての関心が高かったのは当然かもしれない。


大使の説明は、フィンランドはエネルギー源の70%を輸入に頼り、そのうちの80%はロシアから。この依存度を下げる必要がある。また、原発政策は必ず議会決議に基づいて行っており、政府や電力企業が安全性を確保しているとの信頼がある。ドイツのような脱原発は、フィンランドにとっては困難な選択。日本も「稼働ゼロの現状を長期に続けることは難しいのでは」などと語った。


「ゲートウエー」も対露関係強化を図る日本として興味ある視点だ。大使は「ロシアの市場を日本と協力して開拓したい」と強調した。対露(ソ連)関係では、日本よりはるかに多難だった歴史的経験は大いに参考になろう。フィンランドとの関係は、まださまざまな可能性がありそうだ。


ゲスト / Guest

  • マヌ・ヴィルタモ / Manu Virtamo

    フィンランド / Finland

    駐日大使 / Ambassador to Japan

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