2013年09月27日 10:00 〜 11:00 10階ホール
ティム・グローサー ニュージーランド貿易相 

会見メモ

ニュージーランドのグローサー貿易相が会見し、日本との農業関係では、「食糧パートナーシップ」を結び乳製品分野などでの投資協力を求めていきたいと語った。

司会 日本記者クラブ専務理事 中井良則

通訳 宇尾真理子(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

揺るぎなき貿易自由化への信念

伊藤 航介 (時事通信経済部)

「私の持っている数字が正しければ…」と前置きしてから口をついて出たのは、北海道の農家の土地所有面積など詳細な数字を交えた、北海道農業の持つ潜在力についての解説。日本国内でも環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への反発が最も強い地域の視察を控えての会見で、当然予習もしているはず。だが、その口調のよどみのなさと「農業には一定規模が必要。北海道こそがTPPの課題とチャンスに一番応えられる地域だ」と言い切る力強さには、さすがはベテランと舌を巻いた。


ティム・グローサー貿易相。約20年前の多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)で首席交渉官を務めるなど長年通商交渉に携わり、ニュージーランドを小国ながらも貿易・投資自由化交渉で一定の発言力を持つ存在に押し上げた立役者といえる。敗れはしたが、世界貿易機関(WTO)事務局長選にも名乗りを上げ、米国を含めTPP交渉参加国の貿易担当相では通商交渉に関する最も豊富な経験を持つ。


会見でのメッセージは「変化を恐れるな」。抱える事情は異なれど、いち早く貿易自由化の流れに対応して活路を見いだしたニュージーランドの経験は示唆に富んでいた。


ゲスト / Guest

  • ティム・グローサー / Tim Groser

    ニュージーランド / New Zealand

    貿易・気候変動問題国際交渉担当相 / Minister of Trade

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