2013年09月03日 15:00 〜 16:00 10階ホール
小野寺五典 防衛相 記者会見

会見メモ

小野寺五典・防衛相が会見し、日本が直面する安全保障環境の最近の変化によって、日本の防衛力整備や日米防衛協力強化が必要になってきていると話した。

司会 日本記者クラブ企画委員 星 浩(朝日新聞)


会見リポート

世界の注目は「日中関係」

勝股 秀通 (読売新聞調査研究本部主任研究員)

この日の会見前日にも、日本を訪問中の10人を超す米上下両院の議員団と顔を合わせて意見交換したと話すように、大臣に就任して以来、相手の都合が許す限り、訪日する要人を防衛省に招き、日本の防衛政策などを丁寧に説明している。


尖閣諸島は重要なテーマの1つ。日米安保条約に基づき、日本は島の一部を射爆場として米軍に提供していることなどを話すと、要人たちの多くは、同諸島が共同防衛を定めた同条約5条の「日本国の施政の下にある領域」であることを理解してくれるという。そうした積み重ねが、米上院の対中非難決議にも結びついたとの自負をのぞかせた。


要人らの訪日予定を事前に外務省から入手し、防衛省訪問を日程に加えさせることは、外務副大臣を務めたキャリアがなせる技だろう。外務省で副大臣や政務官を務めることは、これからの防衛大臣には必須の経歴かもしれない。


それは会見冒頭、「世界の注目は東アジア、とりわけ日中関係」との言葉に表れている。いまこそ日本の立場や考え方について各国から理解を得る必要性を、国際会議や各国国防担当相らとの会談を通じて痛感しているからに違いない。


その思いは、「昨年、そして今年と、日本が直面する安全保障環境に大きな変化が起きている」との言葉に表れている。従来の周辺事態への備えではなく、日本が紛争当事者となる可能性を示唆したものだ。


中国と北朝鮮の脅威、「防衛計画の大綱」見直し、防衛力整備、敵基地攻撃、そして集団的自衛権と、会見はまさにてんこ盛りで、30分あまりの説明時間では収まりきらない内容だった。その半面、質問に対し慎重な言い回しに終始したのは、防衛相として、発言の重みを痛感し始めているからかもしれない。


ゲスト / Guest

  • 小野寺五典 / Itsunori Onodera

    日本 / Japan

    防衛相 / Minister of Defense

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