2013年09月10日 12:00 〜 14:00 10階ホール 
西室泰三 日本郵政社長 昼食会

会見メモ

6月に就任した日本郵政の西室泰三社長が会見した。就任までの経緯、日本郵政の使命や事業の多角化、株式上場、国債の保有問題などについて語った。

司会・代表質問 日本記者クラブ企画委員 軽部謙介(時事通信)


会見リポート

国士の風情 国債の扱いに覚悟示す

小此木 潔 (朝日新聞編集委員室)

会見後、「ちょっとしゃべり過ぎたかな」とつぶやいたらしいが、落ち着いた低い声でたっぷりと語り終えた姿には、安堵感のようなものが感じられた。


海外の人から「日本国債をいつ手放すのか」とよく聞かれることを自ら明かした上で、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険が保有する合計約200兆円に上る日本国債について、「国債そのものの信用に関わる持ち分。資産として持ち続ける」と強調した。


「われわれが国債を減らすといったら、大騒ぎになり、世界中の新聞のヘッドラインになる。それでは日本の経済が持ちません」「日本が本当に沈むなら、こちらも沈む。しかし、そんなことはあり得ない」と、際どい表現も飛び出した。


アベノミクスで日銀が国債を大量購入して金融緩和に取り組んでいることに触れ、「このタイミングで、日本国債の信用を損ねてはいけない」と、政府への協力姿勢を強く印象づけた。


しかし、株式上場後にも国債の保有残高を維持するのかと聞かれると、「将来は状況を見て判断する」と答え、あくまで当面の判断であることは隠さなかった。


高齢での社長就任に関しては、初めは「とても無理」と思ったが、「私の能力もまだ残っている」と思い直したという。「人生の最後の、国に対するご奉公」「土光敏夫さんが経団連会長になったのは77歳のとき。自分が77歳でも不思議でないなと言い聞かせて現在に至っています」と率直だった。


経済界の支持が弱いのではないか、覚悟はあるのか、との質問には、やや緊張の面持ちで「覚悟はあります。胆力もあるつもりですが、これはひとが判断する話です」。安倍政権からは全面的に支持されている、とも付け加えた。


ゲスト / Guest

  • 西室泰三 / Taizo Nishimuro

    日本 / Japan

    日本郵政社長 / President and CEO , Japan Post Holdings Co., Ltd.

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