2013年08月01日 15:00 〜 16:15 10階ホール
岡素之 規制改革会議議長 記者会見

会見メモ

政府の規制改革会議の岡素之議長(住友商事相談役)が会見し、①規制改革についての基本的な考え方、②6月にとりまとめた答申の主な内容、③今後の活動方針について話した。

司会 日本記者クラブ企画委員 実哲也(日経新聞)

内閣府 規制改革会議のウェブサイト

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/


会見リポート

一丁目二番地の規制改革 覚悟と意欲

森 一夫 (日本経済新聞出身)

安倍晋三首相は規制改革を「成長戦略の一丁目一番地」と位置付けている。首相の諮問機関である規制改革会議は、各種規制の見直しを審議する重要な役割を担う。


議長を務める住友商事相談役の岡素之さんは、規制改革を「私は一丁目二番地だと思う」と言う。「どういう政策をやるかが一丁目一番地だ。それを阻害する要因を取り除くのが規制改革で、しっかり進めなければいけない。その面から経済の活性化に大いに貢献したい」と語る。


規制の見直しは総論賛成、各論反対に遭う。岡さんはあちら立てればこちら立たずの「トレードオフ」の問題を指摘する。既得権者は抵抗するし、自由度を増そうとすれば安全性の低下を懸念する声が上がる。


「トレードオフを踏まえて決断するのが政治だ」と言う岡さんは、「政官連携の重要性」を説く。「問題点を一番よくわかっているのは所管する官庁の官僚なのだから、彼らが規制改革を積極的に提案して、政治が決めるべきだ」。とはいえ、その後ろに既得権者の集団が付いている。


インターネットによる一般用医薬品の販売を認める見解を、規制改革会議は3月に発表した。店舗販売の薬局は影響を受ける。住友商事の子会社のドラッグストアの社長が「相談役、売り上げが10億円減りますよ」と言いに来たそうだ。


国民全体と比べれば、個々の規制に頼る人たちは少数派である。しかし圧力団体を構成する少数者は政治的に強い発言力を持つ。相反する利害関係者の狭い議論に引きずられると、足して2で割るような、改革の名に値しない結果になる。


日本経済や国民の利益は抽象的で後回しにされがちだが、そこが最も重要な点である。規制改革会議には、不要な規制の岩盤を崩す破壊力のある意見の取りまとめを期待したい。


ゲスト / Guest

  • 岡素之 / Motoyuki Oka

    日本 / Japan

    規制改革会議議長 / Chair, Regulatory Reform Council

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