2013年05月31日 15:00 〜 16:15 10階ホール
第2回野口英世アフリカ賞受賞者 記者会見

会見メモ

第2回野口英世アフリカ賞を医学研究分野で受賞したピーター・ピオット博士(Dr. Peter PIOT)と、医療活動分野の受賞者アレックス・コウティーノ博士(Dr. Alex Godwin COUTINHO)の会見を行った。両氏は、研究にいたる経緯やこれからの活動について語り、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 宮田一雄(産経新聞)

通訳 佐藤雅子(サイマル・インターナショナル)

野口英世アフリカ賞のウェブサイト(内閣府)

http://www.cao.go.jp/noguchisho/


会見リポート

エイズ対策 最前線で貢献したい

宮田 一雄 (企画委員 産経新聞特別記者)

日本政府が創設した野口英世アフリカ賞の授賞式は5年に1度、アフリカ開発会議の開催にあわせて行われる。会見はその第2回授賞式の前日だった。

アフリカのエイズ対策に大きく貢献した2人はエイズの流行がいまも続いていることを指摘し、治療の普及とともに、エイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染している人、感染の高いリスクにさらされている人への差別や偏見の解消に取り組むことの重要性を改めて強調した。

ピオット博士(右)はベルギー出身の医学者で、国連合同エイズ計画(UNAIDS)初代事務局長として1995年から14年間にわたり世界のエイズ対策を主導してきた。また、76年にザイール(現コンゴ民主共和国)でエボラ出血熱の流行が発生した際、真っ先に現地で調査にあたった医師としても有名だ。

コウティーノ博士は30年にわたりHIV診療に携わるとともに、2001年から7年間、ウガンダのエイズ患者支援組織TASOの事務局長として、HIV陽性者に対する偏見や差別の解消にも積極的に取り組んできた。コウティーノ博士夫妻の兄弟姉妹だけでも10人がエイズで亡くなっているという。

会見では、九州沖縄サミットにおける日本の提案が2年後の世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)創設につながったことなど、保健分野の日本の貢献を評価。野口英世博士については「弱い立場の人たちに研究を捧げたグローバルサイエンティストの一人」(ピオット博士)、「野口博士の10分の1でも業績が残せれば自分も大きな貢献が果たせたと思うだろう」(コウティーノ博士)と語った。


ゲスト / Guest

  • 第2回野口英世アフリカ賞受賞者 / Hideyo Noguchi Africa Prize

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