2013年02月14日 14:30 〜 15:30 宴会場(9階)
シバル インド通信・情報技術相 記者会見

会見メモ

インドのシバル通信・情報技術相が、情報通信産業の現状などについて話し、記者の質問に答えた。

司会 村田泰夫 日本記者クラブ企画委員

通訳 森岡幹予(サイマル・インターナショナル)

インド通信・情報技術省のウェブサイト

http://deity.gov.in/


会見リポート

「インドに投資しませんか」

村田 泰夫 (企画委員 朝日新聞出身)

 昔懐かしい記者会見だった。40年ほど前、地方支局に勤務しているとき、地元自治体が大企業に工場誘致を働きかける記事を書いた。20年ほど前には、中国政府の高官が相次いで来日し、日本企業の進出に破格の優遇措置を発表する会見を聞いた。

 「インドに投資しませんか」。久しぶりに聞いたのは、新興工業国、インドの通信情報分野を担当する大臣による工場誘致の会見だった。日本企業のインド進出を支援するため、通信情報技術省の中に「ジャパン・デスク」を設置したことも明らかにした。

 高い成長を遂げてきたインド経済は、今後も成長が期待できる。人口は12億人いて、コストの安い若い労働力が豊富だ。しかも購買力のある中流階級人口が、2020年には米国の人口に匹敵する3億人に増える。

 一方、日本の産業界の国際競争力は落ちている。グローバル化への対応が遅れているからだ。日本が提携するパートナーとして、インドは最適な国だ─と熱弁をふるった。

 シバル大臣によると、インドの電子機器製品の市場規模は、いまの450億ドル(4兆2千億円)が20年には4000億ドル(37兆2千億円)に拡大する。国内に電子機器産業が育っていない現状を放置すれば、貿易収支が大赤字になる。そこで、日本など外国資本の誘致に乗り出し、3000億ドル分の製品を生産できる電子機器産業を国内で育成することにした。

 電子機器の裾野は広い。家電製品のほか、自動車、医療機器、太陽光発電、原子力発電、鉄道車両などにも電子機器・部品が不可欠だという。
 「チャイナ・プラス・ワン」の意識が高まり、日本企業のインドへの進出意欲は中国と並ぶまでになっている。しかし、インド進出に当たって、電力、道路、水、鉄道など、インフラが未整備なことが課題だ。昔も、似た話を聞いたような気がした。


ゲスト / Guest

  • カピル・シバル / Kapil Sibal

    インド / India

    通信・情報技術相 / Minister for Communications and Information Technology, India

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