2013年01月25日 12:30 〜 13:30 10階ホール
白川方明 日本銀行総裁 記者会見

会見メモ

白川方明・日本銀行総裁が、「中央銀行の役割、使命、挑戦」と題して話し、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 小孫茂(日本経済新聞)

冒頭スピーチテキスト(日本銀行のウェブサイト)

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/ko130125a.htm/


会見リポート

大転換「物価目標」連携 独立性たん保を強調

川北 隆雄 (東京新聞編集委員)

「日本経済が低迷を脱するチャンスを迎えつつある状況を踏まえ、政府との政策連携が必要と判断した」。1月22日、日銀が政府との共同声明で2%の「物価目標」を打ち出したことで、「日銀の独立性」が傷ついたのではないかとの質問への答えである。スピーチ後の質疑でのことだ。白川さんによると、この大きな政策転換は、日銀の自主的な決定ということだが、果たしてそうなのか。
そばから見ると、かつて、速水優、福井俊彦両総裁が政府の要請を退けてゼロ金利、量的緩和を解除した時に比べ、大幅に政府に譲歩したとの印象はぬぐえない。それでも、独立性を保ったまま歩み寄ったのであれば、必ずしも悪いことではない。
中央銀行は政府とは独立の存在であり、政治的中立性、独立性は不可欠の条件である。一方、広い意味での政府機関でもあるから、政府の政策と全く逆方向に向かうこともできないはずだ。過去には「日銀不況」という言葉が流布したことがある。日銀の不適切な金融政策が、バブル崩壊後の不況を長引かせたという批判である。中央銀行が独立性に固執するあまり、適切な政策を実行できないなら、本末転倒である。
白川さんは総裁就任後の5年間で4回目の会見である。メディアに対して、そして広く国民全体に情報を発信したいということだろう。開かれた中央銀行には情報公開が欠かせないから、その姿勢は評価できる。
「中央銀行の役割、使命、挑戦」というオーソドックスな話の中で面白かったのは、最後の方で「中央銀行という組織」と題して、銀行実務やグローバルな視点の重要性を強調したことだ。これは、そのトップである総裁の条件であるようにも聞こえた。次期総裁は白川さんの希望とは関係なく決まるはずだが、この条件は満たされるだろうか。

ゲスト / Guest

  • 白川方明 / Masaaki Shirakawa

    日本 / Japan

    日本銀行総裁 / Governor,the Bank of Japan

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