会見リポート
2012年12月07日
14:00 〜 15:00
宴会場(9階)
ソム・ミッタル インドソフトウェアサービス協会(NASSCOM)会長 記者会見
会見メモ
インド・ソフトウェア・サービス協会(NASSCOM)のソム・ミッタル会長が、「日本のために―インドからの強いご提案」について話し、記者の質問に答えた。
司会 村田泰夫 日本記者クラブ企画委員
NASSCOMのホームページ
会見リポート
インド進出3つのメリット
村田 泰夫 (企画委員 朝日新聞出身)
ナスコム(NASSCOM)は、インドソフトウエアサービス協会の略称で、インドを代表するIT業界団体である。ミッタル会長は日本企業とのビジネス経験が豊富な知日派で、日本の産業界にインドへの進出を勧めるため来日した。
日本企業がインドに進出するメリットとして3つを挙げた。
第1に、インドは若年層を含む12億人もの人口を擁し、2025年までに中産階級が6億人にのぼる巨大な市場があること。国内市場の縮小に直面している日本企業にとって、成長著しいインド市場は魅力的なはず。すでに日本の870社以上がインドに進出し、業績を上げている。
第2に、インドには若くて優秀で英語を話せる労働力が豊富なこと。毎年430万人もの新卒者がいて、うち90万人が理系。高齢化で若年労働者の確保に悩む日本企業には、よだれのでる話だ。日本国内と比べ人件費を約8割節減できるという。
第3に、日本企業はインドのIT業界と連携することで、グローバルモデルを手にすることができる。コストの削減だけでなく、業務の効率化、さらには企業風土の変革にまでつながる。日本のITシステムは「日本スタイル」とでもいうべきもので、グローバルモデルとはいえない。
とまあ、いいことずくめなのだが、現実に進出するには、さまざまな問題もあることだろう。
日本企業はいま、思わぬチャイナリスクに遭遇している。好むと好まざるとにかかわらず、経済のグローバル化が不可避であるならば、海外進出をためらうことなく、進出先の多様化をはからなければならない。その意味でも、インドの存在感は、ますます高まることだろう。
インド北西部に一大産業拠点をつくる「デリー・ムンバイ間産業大動脈」(DMIC)構想が、産官あげての日本の協力で動き出そうとしているいま、インドから目を離せない。
ゲスト / Guest
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ソム・ミッタル / Som Mittal
インド / India
インドソフトウェアサービス協会 / President, National Association of Software and Services Companies (NASSCOM)