2012年12月06日 12:00 〜 14:00 10階ホール
昼食会 アンジェレラ 在日米軍司令官

会見メモ

2012年7月に在日米軍司令官に就任した、アンジェレラ司令官が、自衛隊との協力関係や沖縄のオスプレイ配備、北朝鮮のミサイル発射への対応などについて話し、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ理事 星野誠(TBSテレビ)

質問 日本記者クラブ企画委員 杉田弘毅(共同通信)

通訳 澄田美都子(サイマル・インターナショナル)

在日米軍司令部のホームページ

http://www.usfj.mil/

下記の写真右端は、7月20日に横田基地で行われた在日米軍司令官の交代式。コナント太平洋軍副司令官(左)から在日米軍司令官旗を受け取るアンジェレラ空軍中将(中)と退任したフィールド空軍中将(右)。
いずれも日本記者クラブ撮影。


会見リポート

オスプレイ「本格運用に入った」

不動 尚史 (時事通信社社会部次長)

北朝鮮のミサイル発射、オスプレイ配備、尖閣諸島問題、相次ぐ米兵の不祥事。日本が直面する安保問題が山積する中で、これほど時宜を得たゲストはいないだろう。


北朝鮮の発射予告については「密に監視しているが、非常に危険な状況にある」と発射が差し迫っていることを示唆した。その後、発射時期をめぐり情報が錯綜したが、振り返ると司令官は的確なシグナルを送っていたことになる。米本土防衛用でもある米軍の追尾レーダーの日本への増設を強く求めた。核保有国である北朝鮮の長距離弾道ミサイルが米領土への直接の脅威になりつつある危機感を反映したものだろう。


オスプレイ配備に関しては初めて「本格運用に入った」と明言。低空飛行による苦情対策にも触れ、日本本土での低空飛行訓練を早く実施したい意思をにじませた。オスプレイの飛行は日米合意に反しているとの沖縄の強い懸念には、合意を順守していると「信じている」との表現にとどめたのが印象的だった。米国の日本防衛義務を定めた日米安保条約5条が尖閣有事に発動されるか否か米国の方針に焦点が集まっているが、「太平洋に駐留する米軍は条約上の義務を履行する用意がある」と語った。


沖縄で相次ぐ不祥事については「住居侵入や酒気帯びであっても犯罪の嫌疑のある米兵には軍の司法を適用して訴追している」と説明した。


5度目の日本勤務で、2人の子どもは三沢と横田基地のアメリカンスクールを卒業。言葉の端々から知日派であることもうかがえた。制服を着た外交官とも称される在日米軍トップの発言には国防総省と国務省からのメッセージが常に凝縮されている。会見録を丹念に読み返せば、行間からオバマ大統領が「リバランス」と呼ぶアジア重視戦略の本音を読み解く糸口が浮かぶかもしれない。



ゲスト / Guest

  • サルバトーレ・アンジェレラ / Salvatore Angelella

    アメリカ / USA

    在日米軍司令官 / Commander of U.S. Forces, Japan, and Commander, 5th Air Force

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