2012年11月19日 12:00 〜 13:30 10階ホール
藤崎一郎 駐米大使 昼食会

会見メモ

今年11月に帰国した藤崎一郎・駐米大使が、アメリカ大統領選や普天間問題、ワシントンからみた東日本大震災、オバマ大統領2期目の課題などについて話し、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員長 小孫茂(日経新聞)

質問 日本記者クラブ企画委員 星浩(朝日新聞)

在アメリカ日本大使館のページ

http://www.us.emb-japan.go.jp/j/


会見リポート

普天間移設は直実な進展が必要

大石 格 (日本経済新聞編集委員 前ワシントン支局長)

米大統領選の投開票結果を見届けての帰国という絶妙のタイミングでの会見だった。外務省北米局長などの頃は当たり障りのない発言しかしない人との評判だったが、自由な立場になり、オバマ政治の現状への率直な分析もあった。

笑わせたのは大統領選を巡る「三位一体説」だ。オバマとロムニーがぎりぎりの競り合いをしたとされる選挙だが、それは全くの虚構。陣営を引き締めたいオバマ選対、追い上げ機運をつくりたいロムニー選対、4年に一度のかき入れ時に視聴率を上げたいテレビの3者が無理やり接戦を演じていただけで、もともとオバマが勝って当たり前の選挙との解説だった。

オバマが駐日大使に日本通でないルースを起用したことに関連して、米国の大使は努力しなくても(とまでは言い切らなかったが)、周囲がほっておかないので困らないと説明したのも面白かった。

普通の国の大使は相手国の言葉を習い、文化などを学び、苦労しないと人の輪に入れないとの指摘はその通りだろう。日本人の内向き志向が顕著な時代だけに、どうやって世界とつき合うかは今後も発信してもらいたいものだ。

本筋の日米関係については米軍普天間基地の移設問題は着実な進展が必要と力説した。日米の有識者に「フテンマは同盟の根幹にかかわる問題ではない」との発言があることを紹介したうえで「間違い」と一刀両断した。

鳩山由紀夫首相(当時)の「最低でも県外」に振り回され、日米摩擦の最前線で右往左往させられた当事者としては、よくある外交術である他の分野での連携によって摩擦を糊塗することなど考えられなかったのだろう。

政権交代を挟んでの外交はどうあるべきか、などもいずれ聞きたい。




ゲスト / Guest

  • 藤崎一郎 / Ichiro Fujisaki

    日本 / Japan

    駐米大使 / Ambassador of Japan to the United States

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