2012年10月22日 15:30 〜 16:30 10階ホール
ソウンダール デンマーク外相 記者会見

会見メモ

デンマークのソウンダール外相が、北極開発などについて話し、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 脇祐三(日経新聞)

通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)

デンマーク大使館のホームページ

http://japan.um.dk/ja/


会見リポート

北極圏の幅広いルール作りを提唱

脇阪 紀行 (朝日新聞論説委員)

会見のテーマは、北極圏をめぐる国際的なルール作りという、極めて今日的な問題だ。


「地球温暖化によって北極海一帯の氷が溶け、それが新しい機会を生み出している。日本にも大いに関わりがある話です」と口火を切った。


第1は、新しい海上航路の問題だ。ロシアや北米大陸の北岸沿いを航行する船は昔、年間100隻以下にとどまっていたが、最近、東アジアと欧州間を中心に数が増加。航路開発や衝突事故への対応策作りが急務となっている。


第2は、天然ガスや石油、レアアースなどの資源探査問題だ。まだ未知の分野だが、各国の関心は高い。今のままでは資源争奪戦による対立や環境破壊が起きかねない。


協議の舞台は、米国、カナダ、ロシア、デンマーク、ノルウェー、フィンランドなど沿岸8カ国が作る北極評議会だ。


ソウンダール外相は「日本こそがオブザーバーになり、ルール作りの議論に参加してもらいたい」と強調した。日本はすでにオブザーバーによる参加を申請しているが、評議会内の意見がようやくまとまり、中国や韓国などとともに来年にも申請を認める空気になっているという。


デンマークは地球温暖化防止のため二酸化炭素(CO2)排出抑制に熱心だが、その国が、温暖化によって生まれる北極圏開発の恩恵についてのルール作りに携わるのは、皮肉な巡り合わせでもある。海外領土である世界最大の島グリーンランドの資源開発の問題も浮上している。


昨年10月に誕生した中道左派連立政権で初入閣した。最近まで第3政党の社会主義人民党党首。会見では、自国が得意とする風力発電やバイオマス利用についての質問にもデータを示して丁寧に答えていた。



ゲスト / Guest

  • ヴィリー・ソウンダール / Villy Søvndal

    デンマーク / Denmark

    外相 / Foreign Minister

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