2012年09月05日 16:00 〜 17:00 10階ホール
コスティ・ンガイ 南スーダン財務・経済計画相 記者会見

会見メモ

南スーダンのマニベ財務・経済計画相が、隣国スーダンとの関係などについて話し、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 杉田弘毅(共同通信)

通訳 長井鞠子(サイマル・インターナショナル)

外務省 南スーダンのページ

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/s_sudan/index.html


会見リポート

独立2年目 青天井の可能性

杉田 弘毅 (企画委員 共同通信編集委員)

「あらゆる分野でチャンスがある国。青天井の国なのです」

昨年7月にスーダンから独立して以来1年2カ月の若い国、南スーダンのマニベ財務・経済計画大臣は、記者会見で自国の売り込みに余念がなかった。教員を経て若い時から独立運動に身を投じ、ようやく夢を実現した喜びが小柄な体にあふれていた。

確かに、豊富な石油や金など資源、豊かな穀倉地を持つこの国は、可能性に満ちている。公用語は英語だし、キリスト教徒が多いから、米国や欧州がアフリカの戦略的拠点となりうるとして支援を強め、石油購入を目的とした中国の積極的な進出も目につく。

だが、20年間内戦を続けてきた北の隣接国スーダンとの関係はまだ正常化していない。

南スーダンの石油はスーダンを通って紅海に出るパイプラインで輸出されているが、このパイプラインの使用料をめぐって対立、またスーダンに途中で石油を横取りされているとして、昨年12月から南スーダンは石油輸出を止めている。この間国家収入は大幅に減った。

近く再開するスーダンとの交渉でこの死活的な難問を「早く解決したい」と言う。国家収入が断たれてどう国民生活を維持するのか、と聞くと、「これまでも生きてきたのだから、今後も大丈夫」と答えた。

精神論と思いきや、パイプライン使用料が途絶え、隣国からの安い石油購入ができなくなったスーダンでも国民生活が悪化し、歩み寄りの機運は高まっているようだ。

ほかにも対立の火種が多いスーダンを通らずに、ケニア経由でインド洋に石油を出すパイプラインの敷設を計画中だ。こちらには日本の大手商社が参加するという。

ゲスト / Guest

  • コスティ・マニベ・ンガイ / Kosti Manibe Ngai

    南スーダン / South Sudan

    財務・経済計画相 / Minister of Finance and Economic Planning

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