2012年09月06日 14:00 〜 15:00 宴会場(9階)
赤阪清隆 前国連広報担当事務次長を囲む会

会見メモ

赤阪清隆・前国連広報担当事務次長が、「国連と広報」のテーマで話し、記者の質問に答えた。赤阪氏は、8月からフォーリン・プレスセンター理事長に就任しています。

司会 日本記者クラブ理事 会田弘継(共同通信)

国連のホームページ

http://www.un.org/en/index.shtml

フォーリン・プレスセンター(FPC)のホームページ
http://fpcj.jp/


会見リポート

日本の戦略 情報発信の強化を

山岡 邦彦 (企画委員 読売新聞論説副委員長)

今年春まで5年間、広報担当の国連事務次長として、潘基文事務総長を支えた。

任期2期目に入った潘事務総長の故国、韓国の元気のよさが、いま国際舞台で目立っている。首脳会議や国際会議を次々に主宰している。韓国に比べて、なぜか日本はおとなしい。

国連で世界と日本を注視していた赤阪さんが、この日の会見で注意を喚起したのは、「日本の国の勢いが、イメージとして弱まっている」という現状である。

世界1位だった政府開発援助(ODA)額はいまや5位。国内総生産(GDP)は中国に追い抜かれた。昔日の経済大国の面影は薄い。

国連の通常予算分担金も、米国に次ぐ加盟国第2の座は保っているが、比率は2000年の20・5%をピークに減少傾向にある。今年の約12・5%が来年には約10・8%に。1980年代前半以来の低水準だ。

ちなみに2000年に初めて1%を上回った中国は、来年5%台になる。このままでは、日本はいずれ追い越されよう。

赤阪さんは、「底力と世界を魅了する価値を持つ日本が、勢いを取り戻す方法」について大いに語ってくれた。

具体的には、ODAを増加し、五輪やワールドカップなど国際スポーツ大会を誘致し、G20サミットや国連会議を開催する。海外へ情報発信を強化する。

だが、何より必要なのが、「安保理に常に入っていること」だ。

確かに、2年限りの非常任理事国ではなく、何らかの形で準常任理のポストを実現することが日本にとっては重要だろう。北朝鮮やイランの核問題、シリアなど中東やアフリカ情勢を巡り、日本が常に議論に参加することで存在感を示し、考えを世界に発していく意義は大きい。

問題は、日本の戦略である。赤阪さんが言うとおり、「日本が何もしなければ安保入りは起きない」。

ゲスト / Guest

  • 赤阪清隆 / Kiyotaka Akasaka

    日本 / Japan

    前国連広報担当事務次長 / the former United Nations Under-Secretary-General for Communications and Public Information

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