2012年06月14日 15:00 〜 16:30 宴会場(9階)
研究会「大阪維新の会」 平松邦夫 前大阪市長

会見メモ

平松邦夫前大阪市長が、日本記者クラブ主催の研究会「大阪維新の会」で、「大阪都構想」についてQ&A形式で話し、記者の質問に答えた。


司会 日本記者クラブ企画委員 星浩(朝日新聞)


平松邦夫のブログ

http://kuniohiramatsuosaka.blogspot.jp/


会見リポート

メディアは橋下現象検証を

西川 孝純 (企画委員 共同通信特別編集委員)

アナウンサー出身だけにソフトな口調で終始、穏やかに語りかけた。しかし「昨年11月の大阪ダブル選挙の結果が本当に民意を代表するものなのか」と切り出し、平松氏を大差で破った橋下徹大阪市長の理念と政治手法については一貫して鋭い批判を展開した。


大阪の経済低迷は府と市の二重行政が主な原因だとの指摘に対し、平松氏は工場等制限法などが撤廃された後は成長分野の工場進出が進み、設備投資も伸びていると反論。橋下氏が進める「大阪都構想」について「制度が変わればすべてうまくいくというのは、かつてイリュージョンと言った、むしろ無責任ではないのか」と指摘。


さらに「集権体制としての東京都の区制廃止提言もある」と述べ、京都や神戸など近隣政令指定都市との水平連携、周辺基礎自治体との協力によってきめ細かな市民サービスを目指すべきだという自説を強調した。


平松氏は文楽協会への補助金見直しに触れて「橋下さんは大阪の文化をどんどん切っていくが、伝統ある文化こそが都市の格であって、都市間競争の象徴がカジノ構想では寂しい」と断じた。


そして大阪維新の会の理念は「自己責任と新自由主義」であり、それによって市民の暮らしと命が守れるのかと疑問を呈し、「大阪市が壊れていくのではないかという危機感がある」「大阪を実験台にしてはならない」と訴えた。


橋下ブームについては「敵をつくり、たたくことで自分を正当化する。どの方向にでも鉄砲を撃てる。メディアに新しいテーマを絶えず投げかける」と分析。そうした橋下氏の言動をメディアはきちんと検証すべきだと注文を付けた。


大阪の行方が心配でならない平松氏はシンクタンク「公共政策ラボ」を立ち上げる。国政進出へ準備を進める橋下氏の実像と目指す方向は何か、われわれメディアに課せられた責任は大きい。



ゲスト / Guest

  • 平松邦夫 / Kunio Hiramatsu

    日本 / Japan

    前大阪市長 / the Former Mayor of Osaka.

研究テーマ:大阪維新の会

研究会回数:0

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