2012年06月08日 15:00 〜 16:00 10階ホール
サチ コソボ首相 記者会見

会見メモ

コソボ共和国のサチ首相が会見し、記者の質問に答えた。


司会 日本記者クラブ理事 河野俊史(毎日新聞)

通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)


コソボ大使館のページ。在オーストリア大使館が兼轄しています。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/list/europe/oumlst.html


会見リポート

国連、EU加盟に自信

関本 誠 (朝日新聞国際報道部)

39歳でコソボ首相に就任、2008年2月17日の独立以来、4年余にわたり、難題を抱えながら国家づくりを進めてきたサチ首相。記者会見では、法の支配による多民族国家づくりを進めていることを強調し、国連や欧州連合(EU)などへの加盟に自信を示した。


サチ首相には独立直前の2008年1月、プリシュティナでインタビューしたことがある。首相は当時、「100カ国から国家承認の用意があるとの確認を得た」と答えていた。コソボ承認国数は4年余で91カ国に増えたが、ロシア、中国による承認の見通しは立っていない。


この点を今回改めて質問すると、「モスクワがセルビアを支援することは、セルビアにも害になり、ヨーロッパ統合プロセスに逆行するもの」と指摘したが、「近く承認してくれると楽観している」と付け加えただけで、具体的な打開策や加盟見通しについては触れなかった。


EU加盟をめぐっては、昨年12月に来日したホジャイ外相が「2020年の加盟を目指す」と述べていた。現在進行中の欧州危機の影響について、サチ首相に尋ねたが、目標年などへの言及はなく、外相発言から後退したような印象を受けた。


加盟問題では、サチ首相の自信とは裏腹に難しい状況が続きそうだ。


隣国セルビアとの関係では、今年5月に就任したニコリッチ大統領の民族主義色の濃い発言に懸念を示した半面、EU統合プロセスもにらんで「暗い過去の章を閉じ、平和と協調の新しい章を開けるようセルビア側に働きかけていく」と述べた。


コソボは紛争後の日本の復興支援もあって親日的だ。初来日となったサチ首相は日本との「永遠の友好関係」を力説し、コソボへの投資を呼びかけた。



ゲスト / Guest

  • ハシム・サチ / Hashim THAÇI

    コソボ / Kosovo

    首相 / Prime Minister

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