2012年06月06日 12:00 〜 14:00 10階ホール
昼食会 アファナシエフ 新駐日ロシア大使

会見メモ

4月に就任したロシアのアファナシエフ・駐日大使が会見し、記者の質問に答えた。


司会 日本記者クラブ理事長 吉田慎一(朝日新聞)

質問 日本記者クラブ企画委員 橋本五郎(読売新聞)

通訳 北川和美


ロシア大使館のページ

http://www.russia-emb.jp/


会見リポート

領土問題「片手で拍手はできない」

石郷岡 建 (毎日新聞出身)

日本に赴任し、まだ約1カ月半。それでも、「日露関係の展望は明るい」と語った。 


シベリアのチタでの生活が長く、「シベリアにとって、日本は隣国で、モスクワよりも近い」と説明し、「ロシアはアジアの一部だ」と力説した。ちなみに、チタは日本軍のシベリア出兵で名高い町だが、その話には触れなかった。


外交生活42年。よどみのない話し方、親しさを打ち出しながらも、弱みを見せない、したたかな態度。かなりのベテラン外交官であることが、すぐ見て取れた。


「42年前当時の世界は、今とは全く違った雰囲気だった」との発言は、長い外交官生活から出てきた本音で、将来への楽観的な見通しも、冷戦時代の緊張関係を思い出せば、現在の雰囲気はどれほど良好なものかという感慨だったろう。


そして「ステレオタイプの考え方から脱却することが必要だ」との主張も、自らの長い外交官生活からの結論だったに違いない。


領土紛争という難しい問題を抱える日露関係について、日本をよく知り、政治的にも、肉体的にも(柔道で)、強い大統領のプーチン氏の再登場により、交渉の前進は可能になったと主張した。 


問題は①交渉に先だって前提条件を付けない②一方的な歴史観を押し付けない──の2点だと説明した。


そして、ロシアのことわざを引用しながら、「片手では拍手はできない」と、双方の手が差し出される必要性を訴えた。


もともとは中国専門家。中国・新華社の記者の質問には、ほっとしたような表情を見せた。日本語はできないが、全国各地を回り、富士山にも登ってみたいという。


子どもたちは、すべて独立し、孫だけでなく、ひ孫もいる。そのすべての家族を日本に呼び、日本を見せたいとの思いを最後に語った。



ゲスト / Guest

  • エブゲニー・アファナシエフ / Evgeny V. AFANASIEV

    ロシア / Russia

    駐日大使 / Ambassador to Japan

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