2012年05月30日 16:30 〜 17:30 10階ホール
ルゴ パラグアイ大統領 記者会見

会見メモ

ルゴ・パラグアイ大統領が、パラグアイと日本との関係などについて話し、記者の質問に答えた。ホルヘ・ララ・カストロ外相と豊歳直之・駐日大使も同席した。

司会 中井良則 日本記者クラブ専務理事

通訳 丸山啓子 オルビスインターナショナル


パラグアイ大使館のホームページ

http://www.embapar.jp/subsitio2/


会見リポート

南米の農業大国としての自負心

渡邉 雅弘 (共同通信外信部)

成長著しい地域大国ブラジルの隣国ではあるが、ブラジルが2億人近い人口を持つのに対し、パラグアイは660万人程度。しかし、小国でありながら農業大国として強い自負心をのぞかせた。


大統領によると、2010年には大豆800万トンを生産し、ブラジル、米国、アルゼンチンに次ぐ世界4位の輸出国。また、日本で消費されるゴマの6割がパラグアイ産だという。人口の2倍以上の1300万頭のウシがおり、高品質な牛肉の輸出をしているとした上で、今後さらに農産品の輸出に力を入れていく考えを表明し、農業発展のために日本からの技術移転の必要性を訴えた。


「パラグアイは外国からの投資を保証している」「一度も外国企業を国有化したことはない」


中道左派とされるルゴ氏だが、アルゼンチンやベネズエラなど外国企業国有化をすすめる他の南米諸国とは一線を画す姿勢を明確にし、日本企業に投資を呼び掛けた。


2010年の経済成長率は15・3%という記録的な水準に達したが、11年には干ばつに見舞われ、成長率は下落。所得分配の不均衡が続き、また、1人当たり所得が南米で最も低い国の一つであると説明し、「最優先課題は、投資の誘致によって中長期的な持続可能な成長を果たすことだ」と述べた。


パラグアイは、ブラジルやアルゼンチンなどと関税同盟「南部共同市場」(メルコスル)を構成。「ブラジルなど大市場への進出が容易な戦略的位置を占めている」とアピールすることも忘れなかった。


なお、ルゴ大統領は6月22日、北東部で土地を占拠していた貧農らと警官隊が衝突して17人が死亡したことの責任を問われ、上院の弾劾決議を受けて失職した。



ゲスト / Guest

  • フェルナンド・ルゴ・メンデス / Fernando LUGO MÉNDEZ

    パラグアイ / Paraguay

    大統領 / President

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