会見リポート
2012年02月18日
18:15 〜 19:15
10階ホール
バラク イスラエル副首相・国防相 記者会見
会見メモ
司会 日本記者クラブ企画委員 会田弘継(共同通信)
通訳 池田 薫 (サイマル・インターナショナル)
イスラエル大使館のホームページ
http://tokyo.mfa.gov.il/mfm/web/main/missionhome.asp?MissionID=43&
会見リポート
イラン核のイミュ二ティーを絶対阻止
南 武志 (時事通信外信部次長)
国際情勢における最大の懸案の一つとなっているイラン核問題をめぐり、同国の核施設に対する軍事攻撃の可能性を取り沙汰されるイスラエルの直接の当事者たる国防相の登場とあって、土曜日の夕方という異例の設定にも関わらず、多数の参加者を集めた。
多くの質問が集中したイラン核問題についてバラク氏は、イランが核兵器を持つことの危険性や、それを阻止するために国際社会が制裁を強化することの必要性について、通訳にかかる時間すらもどかしそうに滔々と訴え掛けた。
バラク氏が説明に使ったのは「イミュニティー(免疫)」という概念。イランがいつでも核兵器を造れるという段階まで核開発を進めてしまえば、イランはこの「イミュニティー」を獲得し、もはや制裁は効かなくなる。だから、それまでにイランを制裁で追い詰め、核開発を放棄させねばならないという論理だ。そのための「時間の余地はまだある」という。
イランの核兵器保有を絶対阻止しようとするイスラエルの強固な意思の背景として、バラク氏は「弱者に慈悲はない。二度目のチャンスはない(一度でも失敗すれば国が滅びる)」と繰り返し、イスラエルにとっては生存が懸かる中東情勢の厳しさを強調した。
現在は右派ネタニヤフ政権の国防相を務めるバラク氏だが、かつて中道左派・労働党政権の首相として結果的に挫折したものの、真剣に和平実現を模索した経験を持つ。中東情勢やイランに対する見方について、今回のバラク氏の主張に必ずしもすべて首肯することはできないにしても、イスラエルの立場を、あくまで理を尽くして説明、説得しようとする真摯な姿勢は感じ取れた。
ゲスト / Guest
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エフード・バラク / Ehud Barak
イスラエル / Israel
副首相・国防相 / Deputy Prime Minister and Minister of Defence