2011年12月05日 14:00 〜 15:00 10階ホール
エンベル・ホジャイ コソボ外相 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 坂東賢治(毎日新聞)

通訳 大野理恵(サイマルインターナショナル)


在オーストリア大使館が、コソボ大使館を兼轄しています。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/list/europe/oumlst.html


会見リポート

2020年までにEU加盟実現を

真野 森作 (毎日新聞外信部)

「1週間に機内泊が3、4回というのもしょっちゅう。これが大臣の仕事ですから」


2011年2月に就任したばかりのホジャイ氏は笑顔で語る。若々しく、学者出身らしい穏やかな雰囲気だが、肉体も酷使して外交に取り組んでいるようだ。


国自体も08年独立と若く、目下の課題はより多くの国々から国家承認を受けることだ。現在は85カ国で、国連加盟193カ国の半分に届いていない。それでも「今年はアフリカの7カ国やアラブ諸国からも承認してもらった」と前を向く。


旧ユーゴスラビアで自治州だったコソボは90年代、独立を巡ってセルビアと武力衝突した。NATOの軍事介入と国連暫定統治を経て、岐阜県ほどの面積に人口220万が暮らす小さな国家となった。だが、今も失業率は5割近い。国連やEUへの加盟は発展に不可欠な悲願で、それには旧敵セルビアとの関係改善が鍵となる。


11年3月から実務面での直接対話が始まったところで、将来展望を問う質問には「正常な関係を構築すればお互いにプラスとなる」と落ち着いた物腰で答えた。その上で、EU加盟については「2020年ごろまでに実現できると想定している」と自信を見せた。10年7月に国際司法裁判所が「コソボ独立は合法」との判断を示したことが大きな支えとなっている。


独立後、日本を訪れた最初の閣僚となった。10年に駐日大使館も開いており、「バルカン半島で我が国ほど親日的な国はない」と熱を込める。今年は首都プリシュティナで日本企業向け投資セミナーも開くという。


「今から投資すれば10年後には小さな国を通してEUにアクセスできる」。日々、各国を飛び回っているだけに、営業的なアピールもお手のものといった様子だった。


ゲスト / Guest

  • エンベル・ホジャイ / Enver Hoxhai

    コソボ / Kosovo

    外相 / Minister of Foreign Affairs

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