2011年12月05日 10:30 〜 11:30 10階ホール
ハイレマリアム・デサレン エチオピア副首相兼外相 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 会田弘継(共同通信)

通訳 大野理恵(サイマルインターナショナル)


駐日エチオピア大使館のホームページ

http://www.ethiopia-emb.or.jp/


会見リポート

ソマリア介入、今がチャンス

松尾 圭介 (時事通信外信部)

20年も無政府状態が続くソマリアに、隣国エチオピアの軍が今、侵攻しているのか、いないのか。世界が注視する中での来日となった。


「まず皆さんが関心のある地域の話をしたい」。質問される前からソマリア情勢の分析を自ら語りだした。


11月中旬から、国境を越えるエチオピア軍の目撃情報が相次いでいる。しかし、これに対しては「まだ進軍していない。報道は間違っている」と言い切った。


一方で、ソマリア南部を支配してきたイスラム過激派アルシャバーブは「弱体化している」と何度も強調。同派壊滅へ「今がチャンスだ」とも繰り返し訴えた。


既にエチオピア軍は「準備できている」上、ソマリアやケニアなどと構成する政府間開発機構(IGAD)からも介入の「依頼を受けた」と述べ、アルシャバーブ包囲網が築かれつつあることに強い自信を示した。


アルシャバーブは、エリトリアの支援を受けてきた。しかし、そのエリトリアを支えてきたリビアのカダフィ大佐は死亡してしまった。


また、国際テロ組織アルカイダの支援も大きかったが、首領のビンラディン殺害に続き「ソマリアのアルカイダ代表もモガディシオで殺された」と指摘。さらに、ソマリアを襲った干ばつで資金源だった徴税がうまくいかなくなり「アルシャバーブは資金不足だ」と主張した。


何よりも「過激思想が飽きられソマリアの人々から支持を得られなくなっていることが大きい」と力説。アフリカで唯一、欧米による植民地化を排撃した歴史を持つのがエチオピアだ。思想への支持さえあれば「金や武器なんかなくても死ぬまで戦えるものだ」と、最近の日本ではあまり聞かれなくなった「根性論」も開陳した。


ゲスト / Guest

  • ハイレマリアム・デサレン / Hailemariam Desalegn

    エチオピア / Ethiopia

    副首相兼外相 / Prime Minister and Minister of Foreign Affairs

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